浮き桟橋(読み)うきさんばし(英語表記)floating pier

日本大百科全書(ニッポニカ) 「浮き桟橋」の意味・わかりやすい解説

浮き桟橋
うきさんばし
floating pier

船舶を係留する係船施設の一種で、鉄筋コンクリートまたは鋼板を用いた大きな浮き箱を1個もしくは数個並べ、旅客乗り降り貨物の積卸しのための桟橋としたもの。浮き箱の並べ方には、突出式と並行式の2種類があり、各浮き箱は移動しないように互いに柔軟に連結されるとともに、全体は錨(いかり)で移動を止めてある。一般に離島や内海島々を結ぶ連絡船の接岸に用いられることが多く、500トン程度までの小型船を対象としている。工費は安く、移設が容易であり、また水深が大きい箇所、潮汐(ちょうせき)の干満の差が大きい箇所では有利であるが、荷役能力は小さく、台風や低気圧による波で被害を受けやすい。

[堀口孝男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android