浅緑(読み)あさみどり

精選版 日本国語大辞典 「浅緑」の意味・読み・例文・類語

あさ‐みどり【浅緑】

[1] 〘名〙
① 薄い緑色。薄く染めた緑色。また、その色の物。
※続日本紀‐大宝元年(701)三月甲午「服制。〈略〉務冠四階浅緑」
② あさぎ色。
源氏(1001‐14頃)梅枝「花さかり過てあさみとりなる空うららかなるに」
[2] (浅緑色をしているところから) 「糸」「野辺」「霞」などにかかる。
古今(905‐914)春上・二七「浅緑糸よりかけて白露を珠にもぬける春の柳か〈遍昭〉」
※経信集(1097頃)「あさみどりのべの霞のたなびくにけふの小松をまかせつるかな」
※新古今(1205)哀傷・七五八「あはれなりわが身のはてやあさ緑つひには野べの霞とおもへば〈小野小町〉」
[3] 催馬楽、呂(りょ)の歌の曲名。「楽家録‐六」に、「あさみどりや、こひはなだそめかけたりや」で始まる曲として所収。

せん‐りょく【浅緑】

〘名〙 うすい緑色。うすみどり。あさみどり。浅緑色。〔魂澹‐詠石榴詩〕

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デジタル大辞泉 「浅緑」の意味・読み・例文・類語

あさ‐みどり【浅緑】

薄い緑色。
養老衣服令で、七位の人のほうの色。
[類語]グリーンエメラルドグリーン黄緑深緑緑色りょくしょく翠緑すいりょく深緑しんりょく草色くさいろ萌葱もえぎ柳色松葉色利休色オリーブ色エメラルド

せん‐りょく【浅緑】

薄い緑色。あさみどり。

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色名がわかる辞典 「浅緑」の解説

あさみどり【浅緑】

色名の一つ。薄い色のこと。若葉色よりも薄く、地面から顔を出したばかりの新芽イメージ染色の薄い色を表す「浅」の字は「うす」と読むことも多いが、緑の薄い色は「あさ」と読むのが通例。8世紀に施行された養老令規定では、朝廷への出仕に着用する朝服ちょうふくの七位の色とされる。深緑対語で、深緑は六位の色。また、糸や霞かすみなどにかかる枕詞まくらことばでもある。

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