沼田川(読み)ヌタガワ

デジタル大辞泉 「沼田川」の意味・読み・例文・類語

ぬた‐がわ〔‐がは〕【沼田川】

広島県中央南部を流れる川。東広島市北西の鷹ノ巣山(標高922メートル)の南方に源を発し、三原市瀬戸内海に注ぐ。長さ48キロ。中流部は吉備きび高原を浸食して峡谷をつくり、下流部は沖積平野が発達している。三原市市街の大部分三角州に立地されている。川の名「ぬた」は、低湿地の意味といわれる。

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日本歴史地名大系 「沼田川」の解説

沼田川
ぬたがわ

県中南部を流れて瀬戸内海に注ぐ。かつての沼田庄域を主要流域とし、源流は賀茂郡福富ふくとみ上竹仁かみだけに河口は三原市。全長四七・八キロで県内第三位。流域面積約五四〇平方キロ。

「芸藩通志」には、上竹仁村から入野にゆうの川との合流地上河内かみごうち(現賀茂郡河内町)までを戸野との川と称し、中河内村(同町)椋梨むくなし川を合流して、本郷ほんごう(現豊田郡本郷町)荻路おぎろ村・沼田下ぬたげ(現三原市)などを経由して海に注ぐとある。最大の支流は、椋梨川(流長三一・五三七キロ)で、その支流に大草おおぐさ川・徳良とくら川・小田おだ川・平坂ひらさか川などがあり、その流域が沼田新庄(現賀茂郡一帯)の各村を形成した。

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改訂新版 世界大百科事典 「沼田川」の意味・わかりやすい解説

沼田川 (ぬたがわ)

広島県中央部,東広島市から南東に流れ三原市で瀬戸内海に注ぐ川。全長約48km,流域面積は約540km2中世,流域一帯には小早川氏勢力を扶植した沼田荘があり,下流域は干拓して開発された。支流の椋梨(むくなし)川を東広島市の旧河内町小田でせき止めた椋梨ダムの水は,三原市や尾道市などに工業用水として給水されるとともに,瀬戸内沿岸や尾道市の旧因島市,旧瀬戸田町など島嶼(とうしよ)部の水道用水に利用されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沼田川」の意味・わかりやすい解説

沼田川
ぬたがわ

広島県南部の川。東広島市北部の鷹ノ巣山 (922m) から吉備高原を南東流して三原市で瀬戸内海に注ぐ。全長約 50km。上流部は吉備高原を開析し,下流部では三原平野を形成。三原市の化学繊維工業はこの川の水を利用して発展した。支流椋梨川が流れる東広島市北東部に椋梨ダムがあり,備後南部から因島に飲料用水,工業用水を送っている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「沼田川」の意味・わかりやすい解説

沼田川
ぬたがわ

広島県中東部を南東流する川。吉備(きび)高原の鷹(たか)ノ巣(す)山南方に発し、三原(みはら)市で瀬戸内海に注ぐ。延長約50キロメートル、流域面積約550平方キロメートル。上流部は比較的緩やかであるが、中流部は吉備高原を開析して峡谷をなし、東広島(ひがしひろしま)市から下流は南東方向に直線状に流れる。かつては旧大和(だいわ)町の舟木(ふなき)(現、三原市)から下流までは舟運があった。沼田川の支流椋梨川(むくなしがわ)には多目的の椋梨ダムがあり、三原市の帝人(ていじん)工場は沼田川の豊富な水を利用して立地したものである。

[北川建次]

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