油(漢字)

普及版 字通 「油(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 8画

[字音] ユ・ユウ(イウ)
[字訓] あぶら・つや

[説文解字]

[字形] 形声
声符は由(ゆう)。由は〔説文〕に未収(ゆう)と字源を同じくする字で、(ひさご)形のの実が熟し、中の油状となったものをいう。油はその繁文。の外殻は。古代酒器のの初形は、このから出ており、卜文にその象形字がある。植物性の油に対して、動物性のものを膏という。油状のものにはつやがあり、なかにみちあふれるさまを油油という。

[訓義]
1. あぶら、あぶら状のもの。
2. つや、つやつやしい。
3. 油然はみちあふれ、さかんなさま。

[古辞書の訓]
和名抄〕油 阿布良(あぶら)/油 阿布良賀米(あぶらかめ)〔名義抄〕油 アブラ・ヤハラカ・サカリ・ウヤマフ・ヨロコブ

[語系]
油・由jiuは同声。由が油の初文と考えられる。融jium、鎔jiongは声義近く、融は鬲釜中のものが腐敗融解して油状となり、虫を生ずる意。鎔は金属質のものが高熱で鎔解する意。鎔解してつやを生ずることを冶jiという。

[熟語]
油衣油幄・油印・油雲油暈・油・油・油花・油油画・油蓋油戟・油絹油膠・油・油傘油漆油燭・油水・油然・油素・油灯・油・油幕・油壁・油麻・油油油絡・油炉油煙油瓦油彩油繖油衫油膩・油単油断・油粉
[下接語]
雲油・花油・肝油・魚油・鯨油・香油・膏油・脂油・重油・獣油・松油・油・精油・石油・点油・灯油・桐油・濃油・油・麻油・沃油・緑油

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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