沖縄海岸国定公園(読み)おきなわかいがんこくていこうえん

精選版 日本国語大辞典 「沖縄海岸国定公園」の意味・読み・例文・類語

おきなわかいがん‐こくていこうえん おきなはコクテイコウヱン【沖縄海岸国定公園】

沖縄県沖縄本島を中心とする国定公園。本島最北端の辺戸(へど)岬から中部の残波岬に及ぶ西海岸一帯と、慶良間(けらま)列島を含む海域。沖縄海岸・渡嘉敷・座間味の三海中公園がある。昭和四〇年(一九六五)琉球政府立公園となり、同四七年の本土復帰と同時に国定公園に指定。

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デジタル大辞泉 「沖縄海岸国定公園」の意味・読み・例文・類語

おきなわかいがん‐こくていこうえん〔おきなはカイガンコクテイコウヱン〕【沖縄海岸国定公園】

沖縄県にある国定公園。沖縄本島中部の東シナ海に面した残波ざんばから名護なごにいたる海岸と、本部もとぶ半島の備瀬びせ崎から最北端の辺戸へどにいたる全長80キロメートルの海岸線一帯と島内最高峰の与那覇よなは岳など内陸部の自然景観地。
[補説]平成26年(2014)に、それまで含まれていた慶良間けらま諸島地域が独立し、新たに国立公園として指定された。→慶良間諸島国立公園

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日本歴史地名大系 「沖縄海岸国定公園」の解説

沖縄海岸国定公園
おきなわかいがんこくていこうえん

沖縄島北部から中部にかけての西海岸(国頭村奥の西側海岸と大宜味村および古宇利島を除く今帰仁村、本部半島南岸部分を除く名護市、恩納村、読谷村の残波岬付近まで)および一九七八年(昭和五三年)に追加指定された慶良間けらま諸島を含む範囲で、同諸島を除いては一九七二年五月一五日に指定された。面積は陸域が一万三二〇ヘクタール、海域が二万六〇五二ヘクタール。公園内には祖国復帰記念碑が建てられている国頭村辺戸へど岬、高さ数十メートルの断崖をなす茅打かやうちバンタ、名護市以北の西海岸における代表的なリゾート地奥間おくまビーチや、過去の砂浜の形状を推測させるような弧を描く大宜味おおぎみ津波つはのビーチロック、点在する小島群と一体となってみごとな内海的景観を作り出している羽地はねじ内海(国設定の屋我地島鳥獣保護区でもある)、台風時に船舶の避難港として最適な今帰仁なきじん運天うんてん港、隆起石灰岩とサンゴ礁が一体となって形成された変化に富む名護市・恩納おんな村・読谷よみたん村の海岸、恩納村恩納おんなのマングローブ湿地、万座毛まんざもー、岬を境にサンゴ礁の発達している南側海岸とサンゴ礁のない北側海岸のコントラストがみごとな読谷村残波ざんぱ岬、内海的で透明度が高く海中景観のみごとな慶良間諸島リアス海岸など、沖縄の海岸でみられるおもな特徴が含まれている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「沖縄海岸国定公園」の意味・わかりやすい解説

沖縄海岸国定公園
おきなわかいがんこくていこうえん

沖縄県沖縄本島の北部、国頭(くにがみ)村から読谷(よみたん)村残波(ざんぱ)岬に至る西海岸一帯とその周辺海域、および名護岳(なごだけ)一帯ほかの陸域からなる国定公園。1965年(昭和40)琉球政府立公園(りゅうきゅうせいふりつこうえん)として指定されたが、1972年沖縄県の本土復帰と同時に国定公園となり、1978年慶良間(けらま)地区を追加。2006年(平成18)本部(もとぶ)半島カルスト地域を追加。海岸はいずれも裾礁(きょしょう)、離礁などの美しいサンゴ礁であり、またイシサンゴ類や熱帯魚類に恵まれた海中景観が知られ、海域公園に指定されている。しかし1972年ごろから沖縄諸島でサンゴを食害するオニヒトデが異常発生したため、大半のイシサンゴが死滅してしまった。1980年ごろから、その一部に回復の兆しがみえてきたが、元どおりのサンゴ景観になるには、長い年月が必要とみられている。そのほか、羽地(はねじ)内海、名護城跡、万座毛(まんざもう)、真栄田(まえだ)岬など、美しい景観地に富み、沖縄観光の中心となっている。交通も便利で海岸に沿って走る国道58号沿いにはドライブイン、ゴルフ場、海水浴場などが設けられている。なお、追加指定された慶良間諸島海域は、2005年にラムサール条約登録湿地となり、2014年に分離独立して慶良間諸島国立公園となった。2016年には国頭村の一部(沖縄本島北端の辺戸(へど)岬周辺と与那覇(よなは)岳一帯)と大宜味(おおぎみ)村の一部(塩屋(しおや)湾周辺)が、やんばる国立公園に編入され、沖縄海岸国定公園から指定削除となった。陸域面積4872ヘクタール、海域面積1万0985ヘクタール。

[目崎茂和・編集部 2019年5月21日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「沖縄海岸国定公園」の意味・わかりやすい解説

沖縄海岸国定公園
おきなわかいがんこくていこうえん

沖縄県沖縄島中部の残波岬以北の西海岸全体(本部半島海岸の大部分,辺戸岬周辺地域を除く)と,名護岳(345m)などの山岳部を含む自然公園。面積 48.72km2。1972年指定。1978年に慶良間諸島を含む海域が編入されたが,同海域は 2014年の慶良間諸島国立公園指定に伴い削除された。また 2016年やんばる地域の一部が削除され,やんばる国立公園に編入された。亜熱帯植物の原生林に富み,海岸景観に特色がある。名護市南部,部瀬名岬(ぶせなみさき)付近の海中はサンゴ礁が美しく,沖縄海岸海域公園地区に指定。残波岬,名護湾,屋我地内海,茅打ちバンタなどの景勝地がある。名護市街地の南方には轟の滝がある。

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百科事典マイペディア 「沖縄海岸国定公園」の意味・わかりやすい解説

沖縄海岸国定公園【おきなわかいがんこくていこうえん】

沖縄県,沖縄島の西海岸と慶良間(けらま)列島にまたがる国定公園。1972年指定。1978年慶良間地区を追加。103.20km2。辺土(へど)岬,名護湾,万座毛(まんざもう)の断崖などの景観と,沖縄海岸,渡嘉敷(とかしき),座間味の海中公園がある。2014年4月,慶良間列島一帯を〈慶良間諸島国立公園〉として分離。
→関連項目慶良間諸島国立公園慶良間列島

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事典・日本の観光資源 「沖縄海岸国定公園」の解説

沖縄海岸国定公園

(沖縄県)
新おきなわ観光名所100選」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の沖縄海岸国定公園の言及

【沖縄[県]】より

…(1)沖縄島北部 名護市と国頭郡の範囲で,山岳地形をなすことから山原(やんばる)の呼称がある。緑の山地を背景にしたサンゴ礁の海岸は美しく,恩納(おんな)から辺戸岬までの海岸は沖縄海岸国定公園に指定された。また海洋博記念公園をはじめ真栄田(まえだ)岬,万座毛(まんざもう),辺戸岬,海水浴場のあるビーチなど,名勝地,行楽地が多い。…

※「沖縄海岸国定公園」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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