気象潮(読み)きしょうちょう(英語表記)meteorological tide

精選版 日本国語大辞典 「気象潮」の意味・読み・例文・類語

きしょう‐ちょう キシャウテウ【気象潮】

〘名〙 海上暴風低気圧などの気象現象によって起こる海水位昇降。ふつうは太陽や月の引力による天体潮より小さいが、台風時などには高潮をもたらすことがある。

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デジタル大辞泉 「気象潮」の意味・読み・例文・類語

きしょう‐ちょう〔キシヤウテウ〕【気象潮】

気象の影響によって潮位変動する現象。台風襲来時の高潮など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「気象潮」の意味・わかりやすい解説

気象潮
きしょうちょう
meteorological tide

気象(気圧、風など)や水温変化などに伴う潮位の変動をいう。潮汐(ちょうせき)は月と太陽の起潮力によって生じる天文潮astronomical tideが大部分であるが、気象や水温などの変化に伴う潮位変動も多少含まれている。気象潮には、1日周期、1年周期のように、比較的安定した周期的変動と、風や気圧の不規則な変動による一時的なものがある。潮汐表計算には、周期的な気象潮のみが含まれている。台風など顕著な低気圧が通過すると、低い気圧と強風のため大きな気象潮が生じ、湾奥などでは海面が異常に上昇して高潮(たかしお)となることがある。

[岡田正実]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「気象潮」の意味・わかりやすい解説

気象潮
きしょうちょう
meteorological tide

台風低気圧などの気象現象によって起こる海面の昇降。気象潮には気象要素の日変化や年変化によって生じる周期的な気象潮と,台風や低気圧の通過の際に起こる不規則的な気象潮があるが,前者は同じく周期的である天体潮に比べると周期は非常に小さい。これに対し,後者は高い波浪の作用を伴って甚大な被害を与えることがある。これは一般に高潮や暴風津波と呼ばれ,気象潮のなかで最も著しいものである。

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百科事典マイペディア 「気象潮」の意味・わかりやすい解説

気象潮【きしょうちょう】

月および太陽による潮汐(ちょうせき)現象(天文潮)とは別に,気象条件によって海水面が昇降すること。気象条件としては,風による吹寄せ,低気圧中心部における低圧による吸上げ,沿岸の風浪の三つが考えられる。台風などのときには気象潮が数mにも達することがある。→風津波

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海の事典 「気象潮」の解説

気象潮

潮汐は月・太陽の起潮力によって起こされる規則的な海面水位変化であるが、気温・水温の変化、気圧の変化等によっても水位が変化する。この気象的な原因で 起こる水位変化の中で、一定の周期をもって規則的に起こるものは、通常、潮汐の分潮の中に含めて扱い、このような成分を気象潮と呼んでいる。24時間周期 の気象日周潮、1年の周期の太陽年周潮がその代表的なものである。 (永田)

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