末路(読み)まつろ

精選版 日本国語大辞典 「末路」の意味・読み・例文・類語

まつ‐ろ【末路】

〘名〙
① 道の終わり。道のすえ。行程の終わり。行路のすえ。ばつろ。
米欧回覧実記(1877)〈久米邦武〉例言「幸に末路墺国の博覧会にあふ」 〔戦国策‐秦策〕
② 人の一生のすえ。生涯最後晩年。ばつろ。
※寛斎摘草(1786)三・得宮田子亮書、有薦余某藩之言、賦謝「生涯付酒青雲隔、末路逢人白髪寒」
※酒ほがひ(1910)〈吉井勇〉痴夢二「痛ましき君が末路(マツロ)はあざやかに胸に描かるひとりおもへば」 〔漢書‐鄒陽伝〕
③ 盛んであったものが衰えてきた時期。物事の衰えたすえ。ばつろ。
※六如庵詩鈔‐二編(1797)五・画馬引、為福井敬斎君賦「君不見伏波末路困壺頭、回首却憶馬少遊」

ばつ‐ろ【末路】

〘名〙 行路のすえ。また、生涯の最後。転じて、盛んであったものが衰えたさき。なれの果て。まつろ。
※やみ夜(1895)〈樋口一葉〉一「山師の末路(バツロ)はあれと指されて」

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デジタル大辞泉 「末路」の意味・読み・例文・類語

まつ‐ろ【末路】

道の終わり。
一生の最後。晩年。ばつろ。「人生末路
盛りを過ぎて衰え果てた状態。なれのはて。ばつろ。「英雄が哀れな末路をたどる」
[類語](2老い先晩年老後余生/(3没落落ちぶれるうらぶれる成り下がる零落凋落ちょうらく転落落魄らくはく淪落堕落斜陽地に落ちる成れの果て見る影もない末期的衰残弱体化衰弱衰微衰退頓挫衰え減退後退退潮朽ちる消沈衰亡たそがれ失速焼きが回る耄碌もうろくぽんこつ火の車終末大詰め尾羽うち枯らす世も末廃れる衰える寂れる落ち目下火尻すぼみ廃退下り坂左前不振じり貧どか貧先細り下がり目低落廃る傾く尻下がり尻切れとんぼ竜頭蛇尾孤城落日

ばつ‐ろ【末路】

まつろ(末路)」に同じ。
「山師の―はあれと指されて」〈一葉・やみ夜〉

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普及版 字通 「末路」の読み・字形・画数・意味

【末路】まつろ

道の終わり。世や人の末期。宋・李格非〔洛陽名園記、呂文穆園〕嗚呼(ああ)、大夫むに方(あた)り、一己の私を放(ほしいまま)にして自らの爲にし、天下治忽れば、きて此の樂しみを享けんと欲するも得んや。の末路、是れのみ。

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