斜方晶系(読み)しゃほうしょうけい(英語表記)orthorhombic system

精選版 日本国語大辞典 「斜方晶系」の意味・読み・例文・類語

しゃほう‐しょうけい シャハウシャウケイ【斜方晶系】

〘名〙 結晶系一つ三本結晶軸が互いに直角に交わり、それぞれの長さの異なるもの。〔鉱物字彙(1890)〕

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デジタル大辞泉 「斜方晶系」の意味・読み・例文・類語

しゃほう‐しょうけい〔シヤハウシヤウケイ〕【斜方晶系】

結晶系の一。長さの異なる3本の結晶軸が互いに直交するもの。直方晶系あられ橄欖かんらんなどにみられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「斜方晶系」の意味・わかりやすい解説

斜方晶系
しゃほうしょうけい
orthorhombic system

晶系の一つ。直方晶系ともいう。原則として、直交する異なった長さの3軸を軸配置としてもつもの。晶族222(D2),mm2(C2v),mmm(D2h)がこれに属し、ブラベ格子にはPABC)、IFの4種がありうる。単位格子は直方柱の形であり、格子定数にはabcαβγ=90゜の関係が成立する。軸角がすべて直角となる形態特徴には「斜め」を感じさせるところがないので、直方晶系とする用例も多い。鉱物中約22%がこの晶系に属し、その数字は単斜晶系の約31%に次ぐものである。

[岩本振武 2015年7月21日]

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化学辞典 第2版 「斜方晶系」の解説

斜方晶系
シャホウショウケイ
orthorhombic system, rhombic system

結晶系の一種.単位格子が互いに直交する三つの結晶軸をもち,一般には各辺の長さが異なる直方体となるもので(abc,α = β = γ = 90°),ブラベ格子としては,単純斜方,低心斜方,体心斜方,または面心斜方格子をとる.結晶の点群対称としては,互いに直交する3本の2回回転軸または2回回反軸(鏡映面)をもつものに相当し,3本とも2回回転軸をとるもの,2本の回反軸と1本の回転軸をもつもの,および直交する3本の2回回転軸とそれに2回回反軸が重なっているものがある.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「斜方晶系」の意味・わかりやすい解説

斜方晶系
しゃほうしょうけい
orthorhombic system

結晶系の1つ。結晶軸は互いに直交し,軸角は α=β=γ=90° ,結晶軸の長さはすべて異なり,abc である。霰石,ロシェル塩,α硫黄ポリエチレンなどがこれに属する。屈折率などの物理的性質異方性を示す二軸結晶である。

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百科事典マイペディア 「斜方晶系」の意味・わかりやすい解説

斜方晶系【しゃほうしょうけい】

軸率a:1:cの直角座標系(結晶軸)で記載される一群の結晶。物理的に異方性で,光学的2軸性。形態は2組の錐面発達が特徴。硫黄,角セン石・輝石一部,カンラン石がその例。

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