整理(読み)せいり

精選版 日本国語大辞典 「整理」の意味・読み・例文・類語

せい‐り【整理】

〘名〙
① (━する) ととのえおさめること。ただしくととのえること。きちんと処理すること。
※正法眼蔵(1231‐53)陀羅尼袈裟を著し、坐具をもち、鞋襪を整理して」
※西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉九「その尽とく整理妥当なるを得るまでは」
※二老人(1908)〈国木田独歩〉上「手狭であるが全体が能く整理(セイリ)されて」 〔春秋左伝疏‐荘公二三年〕
② (━する) 余分なもの、むだなものなどを処分すること。
路上(1919)〈芥川龍之介〉一八「国の田地や何かも整理(セイリ)しなけりゃならないから」
※家族会議(1935)〈横光利一〉「不良番頭も整理したから、店は確実よ」
③ (━する) 株式会社が支払不能・債務超過に陥るおそれまたはその疑いがあるとき、再建を目的として裁判所の監督の下に行なわれる商法上の手続き。
※商法(1899)三八一条「裁判所は〈略〉会社に対し整理の開始を命ずることを得」
④ (━する) 新聞製作の工程の一つ。多くの記事の中からその日の新聞に掲載するものを選び出し、見出し付けや紙面への割り付けを行なうこと。また、その部門
闘牛(1949)〈井上靖〉「今日の紙面は大変なんですよ、整理の奴等悲鳴を上げると思ふんです」
織物加工で、最終の仕上げ工程。絹、毛、綿、麻などの材質または加工技術などによって、その方法には糊付け、幅出し、艷出しなどいろいろの種類がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「整理」の意味・読み・例文・類語

せい‐り【整理】

[名](スル)
乱れた状態にあるものを整えて、きちんとすること。「資料整理する」「気持ちの整理がつく」「交通整理
無駄なもの、不要なものを処分すること。また、あとあと煩わしい問題が起こらないように処理すること。「人員整理する」「身辺整理する」
株式会社が支払不能・債務超過に陥るおそれまたはその疑いがあるとき、再建を目的として裁判所の監督の下に行われる手続き。商法に規定があったが、平成18年(2006)5月、会社法施行に伴い、この制度は廃止された。
新聞編集において、原稿や写真などを取捨選択し、見出しを付け、紙面を構成すること。またその業務を行う部署。「編集局整理部」
[用法]整理・整頓――「部屋の中を整理(整頓)しなさい」「書棚をきちんと整理(整頓)する」など、整えるの意では相通じて用いられる。◇「整理」は、「交通整理」「感情の整理がつく」のように、混乱しているものをきちんとした状態にする意。また、無駄なもの、余分なものを除く意もある。「人員整理」「蔵書を整理する」など。◇「整頓」は乱れているものの位置を元にもどし、整えること。「教室の机を整頓する」「乱れた資料の順序を整頓する」
[類語]整頓片付ける始末整える仕舞う収納するかたす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「整理」の読み・字形・画数・意味

【整理】せいり

ととのえ治める。

字通「整」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の整理の言及

【取引所】より

…一方,反対に相場の流れに従って売買することを〈順張り〉という。 玉(ぎよく)整理信用取引による売買が増大して相場の動きが鈍くなると,買方が手じまってくるため買残高が減少する。これを〈玉整理〉または単に〈整理〉という。…

※「整理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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