抹額(読み)もこう

精選版 日本国語大辞典 「抹額」の意味・読み・例文・類語

も‐こう ‥カウ【抹額】

〘名〙
① 前額部をおおう布帛。激しい運動の際に、かぶりものが落ちないように冠や烏帽子の縁(へり)に巻きつけて結ぶ布帛。非常の際の官人競馬乗尻(のりじり)大儀武官が用いる。まっこう。
近世加茂の競馬の騎手がかぶる冠の前額部につけた赤紙

まっ‐かく【抹額】

〘名〙 (「まつがく」とも) =まっこう(抹額)
※東京年中行事(1911)〈若月紫蘭〉二月暦「紺布、朱衣末額(マツガク)をつけた小供が百人(或は二十人とも云ふ)之に従ふ」

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デジタル大辞泉 「抹額」の意味・読み・例文・類語

まっ‐かく【抹額】

まっこう(抹額)

も‐こう〔‐カウ〕【額/額】

まっこう(抹額)

まっ‐こう〔‐カウ〕【抹額/末額】

《「まっかく」の音変化》古代、冠のへりに紅の絹で鉢巻きをして後ろで結んだもの。下級の武官が用いた。もこう。

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普及版 字通 「抹額」の読み・字形・画数・意味

【抹額】まつがく

鉢巻き。〔事物紀原、戎容兵械、抹額〕二儀實に曰く、禹、塗山に娶るの夕、大風雷電あり。中に甲卒千人り。其の甲を被(つ)けざるは、紅を以て其の頭額を抹(ま)く。云ふ、すと。~此れより抹額、軍容と爲る。

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