我執(読み)ガシュウ

デジタル大辞泉 「我執」の意味・読み・例文・類語

が‐しゅう〔‐シフ〕【我執】

自分中心の考えにとらわれて、それから離れられないこと。我を通すこと。また、その気持ち。「我執にとらわれる」
仏語。人には常住不変の実体があるとする誤った考え。我見
[類語]頓着執着執心偏執固執囚われるめろめろぞっこん首ったけのめり込む入れ込む夢中血道を上げる骨抜きいかれる溺れるふける凝る耽溺たんでき惑溺深入りはまるはまり込む身を焦がす狂おしい物狂おしい入れあげる病み付きとりこ心酔心ここにあらず心を奪う狂わしい悩ましい熱狂的悶悶もんもん惑乱切ないやりきれない思い乱れる思い悩む思い焦がれるむな苦しい息苦しい重苦しい苦痛遣る瀬無い憂さ憂い不如意堅苦しい気詰まり忍びないエキセントリック逆上のぼせるのぼせるアブノーマル常軌を逸する乱心取り術無い辛酸をなめる心を痛める艱難かんなん思い煩う

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精選版 日本国語大辞典 「我執」の意味・読み・例文・類語

が‐しゅう ‥シフ【我執】

〘名〙
① 仏語。個体的な自我を実体視して執着すること。我見。→
発心集(1216頃か)七「今世の行者、〈略〉我執(ガシフ)偏増にして」
煤煙(1909)〈森田草平〉一九「あらゆる我執を離れて、正直に懺悔し得られると思った」 〔倶舎論‐二九〕
② 自我を貫くこと。自分の意見をがんばって通すこと。
風俗小説論(1950)〈中村光夫〉近代リアリズムの発生「藤村文学のライト・モチイフをなす祈りの背後には〈略〉怪物的な孤独と我執とが、低音ではあるがはっきり響いてゐます」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「我執」の意味・わかりやすい解説

我執
がしゅう
ātmagrāha

仏教用語。自身存在なかに実体的な我があると考え執着すること。あらゆる存在に本質として実体的なものがあると執着する法執 (ほっしゅう) とともに仏教では排斥される。我見,我想,人我想ともいわれる。一般には自分の意見に固執すること。

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普及版 字通 「我執」の読み・字形・画数・意味

【我執】がしゆう

自分一人の見解に執着する。

字通「我」の項目を見る

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