感受性(読み)かんじゅせい

精選版 日本国語大辞典 「感受性」の意味・読み・例文・類語

かんじゅ‐せい【感受性】

〘名〙 外界刺激を受けとる能力対象からの触発によって印象を受容する感性の働き。感受力。〔哲学字彙(1881)〕
三四郎(1908)〈夏目漱石〉七「三四郎は自分の感受性(カンジュセイ)が人一倍鈍いのではなからうかと疑ひ出した」

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デジタル大辞泉 「感受性」の意味・読み・例文・類語

かんじゅ‐せい【感受性】

外界の刺激や印象を感じ取ることができる働き。「感受性の強い人」「感受性が豊かだ」
病気にかかりやすいこと。例えば、麻疹はしか風疹などの感染症に対する免疫ができていないため、感染した場合に発症する可能性高いことをいう。
[類語]感性感覚神経美感美意識センスセンシビリティーフィーリング

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改訂新版 世界大百科事典 「感受性」の意味・わかりやすい解説

感受性 (かんじゅせい)
affectivity
sensibility

外界からの感覚的,感情的な働きかけを受けいれる,人間の心の能力あるいは状態。大別して,認知的感受性と情動的感受性との二つがある。前者は,感性知覚にもとづいたもので,色彩,形,音の特性匂いや香りについての感覚を豊かにしてくれ,この場合には感覚性とも呼ばれる。後者はより全体的なもので,快楽苦痛の感情を受けいれる能力あるいは状態のことであり,この場合には感情性とも呼ばれる。またこの両者を含んだ感受的な心的事実の総体をさす場合には,感性とも呼ばれる。この感覚や感情を含んだ感性は,永い間概して非哲学的あるいは反哲学的なもの,すなわち理性思考の敵,人間を動物に近づけるものだと思われてきた。しかし現代では,無意識や身体性の問題と結びついて大きな哲学的問題となってきている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「感受性」の意味・わかりやすい解説

感受性
かんじゅせい
sensitivity

環境内の事象の変化を刺激として感受する能力を感度,刺激に対して興奮しやすい性質を感受性という。また,感覚の刺激の強さの差を識別する能力,すなわち弁別しきい値が低いときに,感受性が高いとか鋭敏だとかいう。これに対して,絶対しきい値が低いときは感度が高い,または敏感だという。医学では,薬に対する細菌の反応をいう。

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世界大百科事典(旧版)内の感受性の言及

【感性】より

…英語のsensibility,ドイツ語のSinnlichkeitなどの訳語として使われる用語。もろもろの感官による感覚的認識能力一般から,ときに感情をも総称する用語として使われる。…

※「感受性」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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