形容(読み)けいよう

精選版 日本国語大辞典 「形容」の意味・読み・例文・類語

けい‐よう【形容】

〘名〙
※史記抄(1477)一〇「舞を見ては其舞の形容を以て分別するぞ」
小春(1900)〈国木田独歩〉二「巖や山や幽邃なる森林や、其色彩形容(ケイヨウ)」 〔易経‐繋辞
② 人や動物などの容姿容貌
※文華秀麗集(818)中・賦得長子房〈嵯峨天皇〉「形容類処女。計画撓強権
※私聚百因縁集(1257)九「律師衣裳垢穢、形容枯槁にして来相語云」
※日本読本(1887)〈新保磐次〉五「猫類の獣にて最猛きは獅子なり〈略〉面は頗長く、眼は却りて小さく、頭には粗き髪を乱しかけたる形容すごく恐ろし」 〔韓非子‐顕学上〕
③ (━する) 物事を他の形をかりて表現すること。たとえて表現すること。比喩。また、物事のかたち、有様をいいあらわすこと。
※三体詩幻雲抄(1527)「つよく人を思たる情思をよく形容し出たぞ」
※随筆・文会雑記(1782)附録「近江の湖を鳰の海と和歌によめり〈略〉東の方彦根の方は鳥の腹に似たり。昔の人はよく形容したるにこそ」
④ 文章、談話のあや。

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デジタル大辞泉 「形容」の意味・読み・例文・類語

けい‐よう【形容】

[名](スル)
物事の姿・性質・ありさまなどを言い表すこと。また、他のものにたとえて表現すること。「言葉では形容できない美しさ」
物事のかたち・ありさま。形状。
「巌や山や幽邃なる森林や、その色彩―」〈独歩・小春〉
人のすがたかたち。容姿。容貌。
「其顔色―の、衰えたると共に」〈竜渓経国美談
[類語](1たとえ比喩直喩明喩隠喩暗喩諷喩・寓喩・提喩換喩・声喩・メタファーアレゴリー擬人象徴比況縮図たとえば表現表出表白発現描出形象化体現具現表明筆舌表す言い表す書き表す名状する

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普及版 字通 「形容」の読み・字形・画数・意味

【形容】けいよう

すがた。容貌。宋・王禹賃宅〕詩 老形容、日日ふ 十年賃宅して、京師

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