幾何(読み)きか

精選版 日本国語大辞典 「幾何」の意味・読み・例文・類語

き‐か【幾何】

〘名〙
① 「きかがく(幾何学)」の略。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
彼女少年(1917)〈徳田秋声〉五「代数をやったり、幾何の問題を解いたりするだけであった」
② どれほど。どれくらい。いくばく。〔音訓新聞字引(1876)〕
[語誌]①は、近世中国の洋学書に由来し、「geometry」の訳語として用いられた。用字の由来は、「geo」をギリシャ語で読んだ場合の音(土地の意味)を近世中国語音で音訳したものと考えられるが、さらに「幾何」の「いくばく」の意味に「metry」(測ること)の意味を掛けているともいわれる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「幾何」の意味・読み・例文・類語

いく‐ばく【幾何/幾許】

数量・程度の不明・不定なことをいう語。どれほど。「―の利益を得たか」
(「いくばくか」の形で)ある程度。若干。「旅費はまだ―か残っている」
あとに係助詞「も」と打消しの語を伴って、数量・程度が多くないことを表す。あまり。「余命―もない」「その後―もなくして事故が再発した」
[類語]どれ程いか程幾らいかばかりほのかささやかわずかせいぜいたかだかたかが微塵みじん些細ささいまばらいささかほんのあるかなきかちょっと一縷いちる一抹少し心ばかりしるしばかり形ばかり少ない少少いくらかいくぶんややちとちっとちょっぴりなけなし若干心持ち気持ち多少二三少数少量僅僅きんきん数えるほどたったただ少なめ軽少軽微微弱微微微少僅少きんしょう些少さしょう最少微量ちびちびひとつまみひと握りすずめの涙ちょこっとちょこんとちょっこりちょびちょびちょびっとちょぼちょぼちょろりちょんびりちょんぼり爪のあか寸毫すんごうプチ

き‐か【幾何】

幾何学」の略。
[類語]算数代数数学解析算術

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「幾何」の読み・字形・画数・意味

【幾何】きか

いくばく。どれほど。〔墨子、兼愛下〕人の地上に生くること、何も無きこと、之れを譬ふるに、ほ駟(し)の馳せて隙をぐるがごときなり。

字通「幾」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android