精選版 日本国語大辞典 「希元素」の意味・読み・例文・類語
き‐げんそ【希元素】
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地球上に存在する量が比較的少ない元素をいう。ただし古くその量が少ないと考えられ、希元素とされていたものでも、現在ではそうでないことがわかっているものもある。したがって、それほどはっきりとその範囲が決められているものではない。一般に希ガス元素、周期表1族のリチウム、ルビジウム、セシウム、2族のベリリウム、3族の希土類金属、13族のガリウム、インジウム、タリウム、4族のジルコニウム、ハフニウム、5族のバナジウム、ニオブ、タンタル、7族のレニウム、10族の白金族元素、ポロニウム以降の放射性元素などをいうことが多い。しかしこれらのうち、たとえば希ガス元素中ヘリウム、ネオン、アルゴンなどはその存在量はかなり多く、また地殻中の存在量は、全元素中25位で塩素の半分程度、鉛の5倍程度あり、コバルトや銅よりも多く希元素とはいえない。
[中原勝儼]
(1)自然界に存在する量が少ない,(2)多量にあっても,岩石,大気,水などの中に希薄に分散していて捕集しにくい,(3)工業的な製法や用途に乏しいなどの理由で,化学者が出会う機会の少ない元素。希有元素ともいう。学術的な化学用語というよりも通称で,明確な定義はない。周期表の第5周期以下の元素には,この種の元素がきわめて多い。ランタノイドやアクチノイドも希元素のうちに数えられる。
執筆者:曽根 興三
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