布目瓦(読み)ヌノメガワラ

デジタル大辞泉 「布目瓦」の意味・読み・例文・類語

ぬのめ‐がわら〔‐がはら〕【布目瓦】

布目の跡のある屋根瓦。製造時に用いた布の織り目が残ったもので、奈良平安時代の瓦に多くみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「布目瓦」の意味・読み・例文・類語

ぬのめ‐がわら ‥がはら【布目瓦】

〘名〙 布目のあとをもつ屋根瓦。布目あとは造瓦過程で使用した麻布によって生じたもの。飛鳥以降、奈良・平安時代の瓦に多い。
※雑俳・柳多留‐一三五(1834)「布目瓦にけんぽうの初霰

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「布目瓦」の意味・わかりやすい解説

布目瓦
ぬのめがわら

布目のある瓦。円筒あるいは凸面の台の上に布をかぶせ,その上に粘土を張りつけ,外側からたたいてつくったため布目がついたもので,多く桃山時代以前の瓦にみられる。普通,宇瓦,平瓦には上面に,鐙瓦丸瓦では下面,すなわち湾曲した内面にみられる。

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世界大百科事典(旧版)内の布目瓦の言及

【瓦】より

…いずれの方法でも,形づくった瓦を成形台からはずしやすくするため,台面に布を用いる。こうすると瓦の凹面に布目圧痕が残るため,古代の瓦に布目瓦という名が用いられるようになった。川原寺創建時の平瓦には凸面に布目圧痕が残るものがある。…

※「布目瓦」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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