山岡荘八(読み)やまおかそうはち

精選版 日本国語大辞典 「山岡荘八」の意味・読み・例文・類語

やまおか‐そうはち【山岡荘八】

小説家新潟県出身。本名、藤野庄蔵。戦後大作徳川家康」をはじめ、歴史小説多作。他に「新太平記」「春の坂道」など。明治四〇~昭和五三(一九〇七‐七八

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デジタル大辞泉 「山岡荘八」の意味・読み・例文・類語

やまおか‐そうはち〔やまをかサウハチ〕【山岡荘八】

[1907~1978]小説家。新潟の生まれ。本名、藤野庄蔵。長谷川しん師事。戦後、17年の歳月を費やし大河小説徳川家康」を完成。同作品で吉川英治文学賞受賞。他に「小説明治天皇」「小説太平洋戦争」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「山岡荘八」の意味・わかりやすい解説

山岡荘八
やまおかそうはち
(1907―1978)

小説家。新潟県生まれ。本名藤野庄蔵。高等小学校中退。逓信(ていしん)講習所に学んだのち、郵便局員、雑誌編集者などを経て1934年(昭和9)ごろ小説を書き始め、長谷川伸(はせがわしん)に師事した。42年『海底戦記ほか従軍記で第2回野間文芸奨励賞を受賞。50年(昭和25)から67年にかけて、徳川家康を合理主義者で平和を探求する建設の英雄としてとらえた大河小説『徳川家康』を執筆、『小説明治天皇』(1963~68)、『太平洋戦争』(1962~71)とともに日本民族の個性を探る三部作となった。戦時中、鹿児島県の鹿屋(かのや)で特攻隊を見送った体験が諸作品の原点を形成している。

磯貝勝太郎

『『山岡荘八全集』全46巻(1981~84・講談社)』

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百科事典マイペディア 「山岡荘八」の意味・わかりやすい解説

山岡荘八【やまおかそうはち】

小説家。本名藤野庄蔵。新潟県生れ。逓信官吏養成所卒。長谷川伸に師事。1933年《大衆倶楽部》を創刊し,編集にあたる一方,大衆文学作品を発表,1938年《サンデー毎日》大衆文芸に《約束》が当選し,文壇に認められた。大戦中は海軍報道班員として中国各地に従軍,戦後公職追放となったが,1950年解除。1950年―1967年に新聞連載した《徳川家康》で人気作家となった。ほかに《春の坂道》など。《山岡荘八全集》全46巻がある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山岡荘八」の意味・わかりやすい解説

山岡荘八
やまおかそうはち

[生]1907.1.11. 新潟,小出
[没]1978.9.30. 東京
小説家。本名,藤野庄蔵。高等小学校中退後上京,1933年雑誌『大衆倶楽部』を創刊,36年頃から大衆小説を書きはじめた。第2次世界大戦中の言動や『御盾』 (1943~45) などの時局小説のため公職追放となったが,50年解除。大作『徳川家康』 (50~67) をはじめ時代小説,現代小説の両分野で幅広い創作活動を続けた。ほかに『千葉周作』 (52~53) ,『春の坂道』 (71) など。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山岡荘八」の解説

山岡荘八 やまおか-そうはち

1907-1978 昭和時代の小説家。
明治40年1月11日生まれ。「大衆倶楽部(クラブ)」を創刊し,編集のかたわら作品を発表,のち長谷川伸に師事。戦時中は「御盾(みたて)」などの戦記小説,従軍記をかく。昭和25年から17年かけて時代小説「徳川家康」を完成させ,43年吉川英治文学賞。経営指南書としてひろく愛読された。昭和53年9月30日死去。71歳。新潟県出身。本名は藤野庄蔵。作品はほかに「春の坂道」など。

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