(読み)がい

精選版 日本国語大辞典 「害」の意味・読み・例文・類語

がい【害】

〘名〙
① そこなうこと。傷つけること。→害する
菅家後集(903頃)詠楽天北三友詩「応感不嫌又不厭、且知無害亦無機」
② 人や事物に与えるよくない影響。わざわい。さわり。また、さまたげ。⇔益(えき)。→害(かい)
今昔(1120頃か)二七「此は物(もの)の気(け)也。但し人の為に害を可成き者には非(あら)ず」 〔詩経‐邶風・泉水

がい‐・する【害】

〘他サ変がい・す 〘他サ変〙
① 傷つける。そこなう。殺す。また、悪くする。だめにする。
※竹取(9C末‐10C初)「龍(たつ)をとらへたらましかば、又こともなく我はがいせられなまし」
② さまたげる。じゃまをする。妨害する。
※幼学読本(1887)〈西邨貞〉六「夜中、田、畑に出でて之れを食ひ、大いに農家収入を害すること有り」
③ そねむ。ねたむ。いむ。

かい【害】

〘名〙 (「かい」は「害」の漢音) さまたげ。さわり。じゃま。故障。わざわい。→害(がい)。〔文明本節用集(室町中)〕
仮名草子浮世物語(1665頃)四「蜻蜓(とんぼう)草葉に止りて水を飲み、己(おのれ)飽足(あきだ)りて蓄(たくはへ)無し。この故に邪(よこしま)の害(カイ)を受けず」

がい‐・す【害】

[1] 〘他サ変〙 ⇒がいする(害)
[2] 〘他サ五(四)〙 (サ変から転じた語) =がいする(害)
※落語・ちきり伊勢屋(1893‐94)〈禽語楼小さん〉「是等(これら)乃公(おれ)を害す気遣ひも無からう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「害」の意味・読み・例文・類語

がい【害】

悪い結果や影響を及ぼす物事。「健康にがある」「農作物を及ぼす」⇔
[類語]有害害悪害毒危害被害禍害惨害惨禍災禍災害なん災い被災災難天変地異天災人災地変風害風水害冷害霜害雪害干害渇水旱魃水涸れ病虫害虫害煙害公害薬害災厄凶事禍根舌禍筆禍試練危難国難水難水禍海難受難遭難罹災貧乏くじ馬鹿を見る弱り目にたたり目泣き面に蜂

がい【害】[漢字項目]

[音]ガイ(呉) [訓]そこなう
学習漢字]4年
生命を途中で断つ。そこなう。傷つける。「害意加害危害殺害自害傷害侵害迫害
順調な生存の妨げになるもの。災い。「害悪害虫害毒公害災害惨害実害水害損害被害弊害無害有害利害冷害
邪魔をする。「障害阻害妨害要害

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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