高知県東部,土佐湾に面する市。1954年安芸町と土居,井ノ口,川北,伊尾木,東川,畑山,赤野の7村が合体,市制。人口1万9547(2010)。市域は安芸川,伊尾木川下流の平たん部,安芸平野とその上流山地,および海岸段丘などから構成される。中世に土豪安芸氏の居城がおかれた土居は,近世に土佐藩家老五藤氏の領するところとなり,城山には安芸城跡が,城下の郭中には武家屋敷の町並みが残されている。安芸川西岸の砂丘上に街村状に広がる中心市街地安芸は,早くから後背地に対する農林水産物の集散地,市場町として発達したところで,現在県東部の商業,行政,教育の中心をなしている。平たん部では大正期に水稲二期作がなされたが,第2次世界大戦前に始められた促成野菜栽培は戦後発展して促成園芸地域となり,キュウリ,トマト,ピーマンのほか近年とくにナスの主産地として知られる。また古くから窯業が盛んで,安芸瓦,内原野焼を特産するほか,葉タバコ,酒,しょうゆなどを産する。土佐くろしお鉄道が通じる。
執筆者:山本 健児
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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