太陽(雑誌)(読み)たいよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「太陽(雑誌)」の意味・わかりやすい解説

太陽(雑誌)
たいよう

1895年(明治28)1月に博文館から創刊された総合雑誌月刊、四六倍判、本文200ページ、定価15銭。1928年(昭和3)2月、第34巻第2号(通算530冊)まで発行して廃刊。内容は、論説、史伝、地理、小説、雑録のほか、政治、法律、文学、科学、商業、農業、社会などから成り立っている。主筆は、坪谷善四郎(水哉)をはじめ、高山林次郎(樗牛(ちょぎゅう))、鳥谷部(とやべ)銑太郎(春汀(しゅんてい))、浮田和民(かずたみ)、長谷川誠也(せいや)(天渓)らであった。執筆陣は各分野の知名人を網羅し、また、各界名士による太陽名誉賛成員を置き、「『太陽』は一に国運隆昌(りゅうしょう)の反影を表示するを期し、毫(ごう)も政治主義の同異に関せず、専(もっぱ)ら公平不偏を以(もっ)て立つ」とした。しかし、日露戦争を前にして台頭してきた国家膨張主義に迎合し、社会主義運動や大正デモクラシーに対応しきれずに、『中央公論』などにその地位を奪われ、廃刊に追い込まれた。

 同名雑誌は、第二次世界大戦後のものとして、1946年(昭和21)1月、太陽社から、57年10月筑摩(ちくま)書房から創刊されたが、いずれも継続しなかった。また、63年6月、平凡社からカラー写真を主にした総合雑誌として創刊された。月刊、A4判変型、200ページ、定価290円。同年12月、太陽賞(写真)を創設。72年11月、ムック(雑誌ふう書籍)形式による『別冊太陽』(季刊)を創刊、月刊『太陽』は2000年(平成12)12月号をもって休刊

[矢作勝美]

『鈴木正節著『博文館「太陽」の研究』(1979・アジア経済研究所)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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