大食(読み)たいしょく

精選版 日本国語大辞典 「大食」の意味・読み・例文・類語

たい‐しょく【大食】

〘名〙 食べものを普通以上に多量に食べること。たくさん食うこと。また、その人。おおぐい。おおぐらい。多食
玉葉‐治承五年(1181)三月一〇日「伝聞、前大将、有食癖之病云々、或云、不然、天性大食之人云々」
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉九「文学進歩せしむるの道は文学者が大食して胃を悪くするにありと云ふ様な」

おお‐ぐい おほぐひ【大食】

〘名〙 (形動) たくさん物を食うこと。また、そのような人。たいしょく。
※寛永刊本蒙求抄(1529頃)五「大ぐいをする大食の人ぢゃほどに」
※それから(1909)〈夏目漱石〉九「ああ大食(オホグヒ)をして寐て許(ばかり)ゐちゃ毒だ」

おお‐ぐらい おほぐらひ【大食】

〘名〙 食物をたくさん食べること。また、その人。おおぐい。
※玉塵抄(1563)二三「能もなく徳もなうて、俸祿をうけて大ぐらいしてこえひぢらいて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「大食」の意味・読み・例文・類語

たい‐しょく【大食】

[名](スル)
普通以上にたくさん食べること。また、その人。おおぐい。「体格のわりには大食する」「無芸大食」⇔小食
タージー
[類語]大食い牛飲馬食鯨飲馬食暴飲暴食健啖多食過食飽食・食い過ぎ・食べ過ぎ食い飽きる食が進む

タージー(〈ペルシア〉Tāzī)

時代の中国人がアラビアおよびアラビア人に対して用いた呼称。広くイスラム教徒をよぶのにも用いた。
[補説]「大食」とも書く。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「大食」の意味・わかりやすい解説

大食 (たいしょく)
Dà shí

唐・宋時代の中国人が,狭義にはアラブ,広義にはイスラム教徒を呼んだ名称で,大寔だいしよく),多氏(たし),大石たいせき)などとも記される。本来はペルシア語でアラビア人を示すタージークTāzīk/Tājīk,タージーTāzīの音訳であったが,アラブの征服以降のペルシア人イスラム教徒もこの名で呼ばれるようになり,またトルコ族がペルシア人を示す語としてこのタージークを用いたことから,イスラム教徒一般をも意味するようになった。後にほぼ同義の回回の語が一般的となり,この語は廃れた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

旺文社世界史事典 三訂版 「大食」の解説

大食
タージー
Tāzi(Tāzik)

唐〜宋代の中国人がアラビアおよびアラビア人に対して用いた呼称。大石・大寔・多氏とも書く
イスラーム帝国全体をも意味し,特にアッバース朝を黒衣大食,後 (こう) ウマイヤ朝を白衣大食と称した。イスラーム化したイラン人もタージーと呼ばれた。

出典 旺文社世界史事典 三訂版旺文社世界史事典 三訂版について 情報

百科事典マイペディア 「大食」の意味・わかりやすい解説

大食【たいしょく】

中国で,唐・宋代にアラブ国家やアラブ人,さらにはイスラム教徒一般をさした呼称。ペルシア人がアラブ人の総称として用いた呼称タージーTaziに由来する。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

普及版 字通 「大食」の読み・字形・画数・意味

【大食】たいしよく

大食い。

字通「大」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「大食」の意味・わかりやすい解説

大食
たいしょく

タージー

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典 「大食」の解説

大食

 →病的飢餓

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android