外面(読み)そとづら

精選版 日本国語大辞典 「外面」の意味・読み・例文・類語

そと‐づら【外面】

〘名〙
外部表面。ものの外に向いている面。がいめん。
② 外部の人との応対などに見せる顔つきや態度。⇔内面(うちづら)
多情仏心(1922‐23)〈里見弴初雪の夜「一旦『そと面』となれば、顔・声・身振り、どこにひとつ、陰鬱のイの字、不景気のフの字なぞ、薬にしたくとも見出せなくなって了ふ」
新西洋事情(1975)〈深田祐介鎮魂・モスクワ郊外六十キロ「Tがひょうきん者としての外面(ソトヅラ)のしたにおそろしくきまじめで、人間的な素顔をかくしている」

がい‐めん グヮイ‥【外面】

〘名〙
① 物の外に向いている面。外側。⇔内面
西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一五「その建築全体柱梁等みな鉄をもって造り玻瓈(はり)をもって外面(グヮイメン)を張り詰めたる故」 〔雲笈七籖〕
② 外から見えるようす。見かけ。外見。⇔内面
※伊勢物語知顕抄(1200‐86頃)下「あるもんにいはく、ぐゎいめんただぼさつ、ないしんにょやしゃといへり」

げ‐めん【外面】

〘名〙
① そとがわ。表面。がいめん。
地蔵菩薩霊験記(16C後)六「知音朋類に至るまで此の地蔵尊を拝敬せぬ人を、或は恨み、或ははづかしめけるほどに、心中は不染とも外面(ゲメン)を信ずる体にするもあり」
② 表面に現われた顔つき。顔かたち顔色。うわべ。
読本・近江県物語(1808)四「外面(ゲメン)夜叉(やしゃ)なれども、内心菩薩ぞかし」

と‐の‐も【外面】

〘名〙 家の外側。戸外
※蓬莱曲(1891)〈北村透谷〉二「外方(トノモ)にては怖ろしとまでに聞きし 雪崩の音も全たく止み」

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デジタル大辞泉 「外面」の意味・読み・例文・類語

がい‐めん〔グワイ‐〕【外面】

物の外側の面。⇔内面
外から見えるようす。見かけ。うわべ。「外面を飾る」⇔内面
[類語]表面上面皮相上辺外見がいけん外見そとみ外面そとづら外面的平面的化けの皮外形表向き見掛け外観みてくれ見た目見栄えなりふり体良く空空しい白白しいわざとらしい心にもない受け流す取り繕う繕う猫をかぶる見せかけ表面的薄っぺら浅薄あさはか名目的外貌輪郭格好かたち形状姿すがた姿形すがたかたちなりなりかたち様子身なり服装風体ふうていスタイル姿勢姿態体勢かた振りポーズ身振り所作しぐさ素振り思わせ振り演技ジェスチャー

そと‐づら【外面】

物の外側の面。がいめん。⇔内面うちづら
他人との応対などに見せる顔つきや態度。「外面のいい人」⇔内面うちづら
[類語]上面皮相上辺表面外見がいけん外見そとみ外面がいめん外面的平面的化けの皮表向き見掛け外観みてくれ見た目見栄えなりふり体良く空空しい白白しいわざとらしい心にもない受け流す取り繕う繕う猫をかぶる見せかけ表面的薄っぺら浅薄あさはか名目的

げ‐めん【外面】

外側。表面。がいめん。
表面にあらわれた顔つき。うわべ。外見。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「外面」の意味・わかりやすい解説

外面
そとも

蘇洞門」のページをご覧ください。

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