塗炭の苦しみ(読み)トタンノクルシミ

デジタル大辞泉 「塗炭の苦しみ」の意味・読み・例文・類語

塗炭とたんくるしみ

泥や火の中にいるような、ひどい苦しみ。「塗炭の苦しみをなめる」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「塗炭の苦しみ」の意味・読み・例文・類語

とたん【塗炭】 の 苦(くる)しみ

泥や火の中にいるような甚しい苦しみ。
※淡窓詩話(19C中)上「乱離の詩を読めば、蒼生塗炭の苦を知る」

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故事成語を知る辞典 「塗炭の苦しみ」の解説

塗炭の苦しみ

激しい苦しみのたとえ。

[使用例] 憲兵隊に逮捕され、ついに陸軍刑務所のなかで塗炭の苦しみをめるというお話を作りあげた[加賀乙彦湿原|1986]

[由来] 「書経ちゅうこう」の一節から。これは、紀元前十数世紀の中国で、王朝に代わって新たにいん王朝が樹立された際に、新しい王朝の大臣、仲虺が書いたとされる文章。「ゆうは徳にくらくして、民は塗炭につ(夏王朝は徳に欠けていたので、庶民は泥や炭の中に落とされるような、ひどい苦しみを味わった)」と述べて、夏王朝を滅ぼしたことの正当性を主張しています。

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