国衙・国府(読み)こくが・こくふ

百科事典マイペディア 「国衙・国府」の意味・わかりやすい解説

国衙・国府【こくが・こくふ】

古代,中央政府から派遣された国司(こくし)が政務をとる官庁域を国庁(こくちょう)ないしは国衙といい,その所在地として計画的に設定された都市を国府といった。ただし国衙と国府を同一視する史料などもあり,国府・国庁と国衙の関係は必ずしも一定しない。国府域の外周には土塁(どるい)と四門がめぐらされ,官庁域はおおむね国府の中央北寄り,築地(ついじ)に囲まれた地にあった。国による支配の拠点で,国司が行政・司法軍事・宗教などのあらゆる面を統轄した。勤務する役人在庁官人(ざいちょうかんじん)という。中世以降もその機能を変えながら存続した所もあり,各地に国府・府中(ふちゅう)などの地名が残る。→多賀城城輪柵遺跡
→関連項目一の谷墳墓群今富荘浮免大部荘大山荘鹿子木荘勧農使国地頭国奉行公文所黒田荘郷司神野真国荘近木荘国衙領税所所領菅原荘惣社(総社)府中府中分米明通寺役夫工米温泉荘渡辺津

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