咄嗟(読み)とっさ

精選版 日本国語大辞典 「咄嗟」の意味・読み・例文・類語

とっ‐さ【咄嗟】

〘名〙
① (━する) 舌うちしてうなること。舌うちして嘆息すること。
日本外史(1827)二「義朝望見、咄嗟曰、豎子敗吾事矣」 〔孫楚‐征西官属送於陟陽候作詩〕
② (━する) 息をはくこと。〔改正増補和英語林集成(1886)〕
③ (形動) ごくわずかな時間瞬間。たちどころであるさま。〔黒本本節用集(室町)〕
禽獣(1933)〈川端康成〉「それにしても、なぜ自分は咄嗟(トッサ)に扉の蔭へ隠れたのかしら」 〔晉書‐石崇伝〕

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デジタル大辞泉 「咄嗟」の意味・読み・例文・類語

とっ‐さ【××嗟】

ごくわずかな時間。「咄嗟の判断」「咄嗟行動
[類語]一瞬瞬間瞬時刹那一刹那寸時片時数刻寸刻一刻束の間たまゆら須臾しゅゆ電光石火短いしばらしば暫時少時ひとしきり時の間瞬く間見る間に一時いっとき一時ひととき半時寸陰短時間一時一時的かりそめ短日月短時日一朝一朝一夕寸秒はかないあっと言う間間髪をれず

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普及版 字通 「咄嗟」の読み・字形・画数・意味

【咄嗟】とつさ

急に。しかる。嘆息する。〔抱朴子、勤求〕夫(そ)れ深く九泉の下(黄泉)に入り、長夜極まる罔(な)く、始めて螻蟻(ろうぎ)(あり)の粮(らう)と爲り、(つひ)に塵壤と合體す。人をして怛然(たつぜん)として心熱し、覺えず咄嗟せしむ。

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