名目(読み)みょうもく

精選版 日本国語大辞典 「名目」の意味・読み・例文・類語

みょう‐もく ミャウ‥【名目】

〘名〙
① 物につけた呼び名。物の呼称名称。多く、それぞれの専門分野での呼称をいう。法門の名称としては、天台宗の五時八教、真言宗の十住心など。めいもく。
※親鸞聖人消息(13C中)血脉「まづ、慈信が申候法文のやう、名目をもきかず、いはんや、ならひたることも候はねば」 〔晉書‐曹毗伝〕
② ことわざ。
※めのとのさうし(14C中か)「みゃうもくに、下手の物ずきといふ事有り」
名目鈔(1457頃)私儀「奏慶 当世そうけいと云名目出来る、更不故実
④ 表面の理由口実。めいもく。
童子問(1707)下「然至其所以自為一レ学、則別立一般名目、以為学問之宗旨
滑稽本八笑人(1820‐49)五「何をがな名目(ミャウモク)にて遊んものとの風流雄達」

めい‐もく【名目】

〘名〙 物の名称。物事の呼称。また、表面上の理由。口実。みょうもく。
運命論者(1903)〈国木田独歩〉二「運命といふ如き神秘らしい名目(メイモク)を其力に加へることは出来ません」

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デジタル大辞泉 「名目」の意味・読み・例文・類語

めい‐もく【名目】

名称。呼称。特に、表向きの名称。みょうもく。「名目だけの重役
表向きの理由。口実。みょうもく。「名目をつけて断る」
[類語](1名前名称呼び名しょう呼称称呼称号とな名義ネームネーミングめい/(2口実隠れみの表向き表看板美名綺麗事大義大義名分錦の御旗仮託かこつける託するよそえる盾に取る

みょう‐もく〔ミヤウ‐〕【名目】

めいもく(名目)」に同じ。
「―こそ大学ですけれども」〈魯庵社会百面相
習慣などによる読み癖。「射礼」を「じゃらい」、「」を「シャク」などと読む類。名目読み。

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普及版 字通 「名目」の読み・字形・画数・意味

【名目】めいもく

題目

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