朝日日本歴史人物事典 「千宗守(初代)」の解説
千宗守(初代)
生年:文禄2(1593)
江戸前期の茶人。官休庵武者小路千家の初代(利休よりかぞえて4世となる)。似休斎,一翁と号した。千宗旦の次男で,吉岡家(吉文字屋)へ養子に出て甚右衛門を名のり塗師となったが,やがて千家に戻り,讃岐高松の松平家の茶頭となった。現在の京都武者小路の地に茶室官休庵をたて,いわゆる三千家の一家として利休,宗旦の道統を守り,平成期の11代不徹斎におよんでいる。ちなみに塗師の吉文字屋へは中村氏が入り,千家十職のひとつ,中村宗哲家となるが,初代宗哲に一翁の娘が嫁いだとされている。<参考文献>『茶道の源流』全6巻
(熊倉功夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報