入組(読み)いりくみ

精選版 日本国語大辞典 「入組」の意味・読み・例文・類語

いり‐くみ【入組】

〘名〙 入り組むこと。複雑になっていること。
① 人と人との関係が、面倒な事情などのため、すっきりしないこと。なかなか解決しないごたごた。でいり。いざこざ。〔日葡辞書(1603‐04)〕
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙一一「兎角婦女子などに親んで居ると、思はぬ入組(イリクミ)が興る者で」
土地境界地勢の関係、歴史的事情などのため複雑になっていること。また、そういう所。
浮世草子・本朝桜陰比事(1689)一「此両所の入組(いりクミ)の山にして年々庄屋出合山さかいのあらそひやむ事なし」

いり‐く・む【入組】

〘自マ五(四)〙 物事性質構造などが複雑になっている。こみ入る。錯綜する。ごたごたする。いれくむ。
四河入海(17C前)八「山やなんどの入くうで頽て聳たるを云ぞ」
浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「昨夕(ゆうべ)本田さんと何だか入組みなすったさうだけれども」

いれ‐く・む【入組】

〘自マ四〙 =いりくむ(入組)
史記抄(1477)八「国々の所領かあちこちへ入れくみたほとに」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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