精選版 日本国語大辞典 「像」の意味・読み・例文・類語
ぞう ザウ【像】
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物体の1点から出た光線束が光学系による反射と屈折を経た後,再び1点で交わるとき,光線束の出る物体の1点を物点,再び交わる1点を像点といい,像点の集まったものを像と呼ぶ。光学系を通過した光線束が実際に1点に集まる場合を実像real image,光線を逆向きに延長したときに1点で交わる場合を虚像virtual imageという。例えば凸レンズによる太陽の像は実像であるが,姿見に映った像は虚像である。実像の位置に感光材料をおけば像を記録できるが,虚像では不可能である。また像で,物体と上下左右の配列が同じものを正立像,反対のものを倒立像という。光学系の性質および物体の位置により,像の実,虚,正立,倒立が決まる。
共軸球面光学系では,光軸に垂直な面内の物点は,近軸光線による結像の場合,同じく光軸に垂直な面内に結像し,物体と像とは相似である。しかし実際の光学系においては,像面の湾曲や歪曲の収差のために像は物体の忠実な模写でなくなり,また上記以外の収差により光線束が1点に集まらず,その結果像は不鮮明になる。
点光源の像を点像というが,これは収差および開口絞りによる回折のため有限な広がりをもつ。すなわち,実際の光学系では,一つの物点に対して,広がりのある像が対応する。幾何光学的に求めた点像はスポットダイヤグラムと呼ばれ,写真レンズのような,残存収差が大きい場合の結像評価に用いられる。しかし,点像を厳密に求めるには収差の項を含む回折積分を解く必要がある。
→鏡 →球面鏡 →レンズ
執筆者:鶴田 匡夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…2変数の関数f(x,y)は,平面の点(x,y)に,関数の値f(x,y)を,それぞれ定めていると考えられる。この考えを一般にしたものが写像である。つまり,集合Aの各元に,集合Bの元を,ある規則によりそれぞれ定めているとき,この規則をAからBへの写像という。…
…二次の正方行列,を一つ取り,平面のベクトル,に対して,と定める。fA(a)もまた平面のベクトルになるから,fAは平面のベクトル全体の集合からそれ自身への写像である。ところで,任意のベクトルa,bと,任意のスカラーα,βについて,fA(αa+βb)=αfA(a)+βfA(b)となる。…
※「像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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