精選版 日本国語大辞典 「信」の意味・読み・例文・類語
しん【信】
しん‐・ずる【信】
しん・じる【信】
しん‐・ず【信】
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一般には、真実で偽りのないことをいう。
(1)儒教においては、五常(仁・義・礼・智(ち)・信)の一にあげられ、友情に厚く友を欺かないことをいう。
(2)仏教では、サンスクリット語シュラッダーśraddhāあるいはプラサーダprasāda(信仰の意)の訳語。仏陀(ぶっだ)の教えを信ずることによって、心が澄み、清らかになることをさす。『倶舎論(くしゃろん)』4には「信とは心をして澄浄(ちょうじょう)ならしむ」とあり、倶舎宗ではあらゆる事象を75種の実体に分け、それを5大別した分類法(五位法)の中の心所法の一部にあげている。すなわち、心の働き(心所)のうちで、すべての善心と相伴うもの(大善地(だいぜんじ)法)の一とされる。また悟りに至る種々の修行を37に分類した三十七菩提(ぼだい)分法(三十七道品)のなかの五根(信・勤(ごん)・念(ねん)・定(じょう)・慧(え))の一とされる。
なお、ヒンドゥー教で説かれる「信仰」バクティbhaktiは、神に対する信愛・献身的な信仰であり、仏教で説く「信」śraddhāとは異なる。
[小川 宏]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…神や仏の力を信じ,これに帰依し,もろもろの願をかける心。したがって宗教に入る第一歩が信心である。…
※「信」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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