デジタル大辞泉
「任」の意味・読み・例文・類語
まけ【▽任】
《動詞「ま(任)く」の連用形から》任命すること。任命して差し遣わすこと。
「もののふの臣の壮士は大君の―のまにまに聞くといふものそ」〈万・三六九〉
まき【▽任】
「まけ(任)」に同じ。
「大君の―のまにまに取り持ちて仕ふる国の」〈万・四一一六〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
にん‐・ずる【任】
[1] 〘自サ変〙 にん・ず 〘自サ変〙
① 引き受けて自分の任務または、責任とする。
官職につく。任じる。
※本朝文粋(1060頃)二・意見十二箇条〈
三善清行〉「臣去寛平五年任
二備中介
一」
※名語記(1275)三「任じつれば国中みな心のままに、管領するよし歟」
※妾の半生涯(1904)〈
福田英子〉一「有志家を以て任ずる人の」
[2] 〘他サ変〙 にん・ず 〘他サ変〙
① 官職につかせる。役につける。任じる。
※続日本紀‐天平一六年(744)「但比年以来、所レ任使人、訪察不レ精」
② 担当させる。ひきうけさせる。まかせる。任じる。
にん【任】
〘名〙
① 自分にまかせられた役目。また、みずから負った責任。
※続日本紀‐慶雲二年(705)四月丙寅「朕顧二念之一、任重事密、充員難レ満」
※
太平記(14C後)三七「則ち大将の任
(ニン)をぞ授けられける」 〔論語‐
泰伯〕
② ある任務についている期間。任期。
※後撰(951‐953頃)雑三・一二四一・
詞書「任はててのち」
※続日本紀‐天平神護元年(765)八月庚申「従五位下石川朝臣永年為
二隠岐員外介
一。到
レ任数年自縊而死」 〔
潘岳‐楊荊州誄〕
④ ある任務に適していること。
にん・じる【任】
(サ変動詞「にんずる(任)」の上一段化したもの)
※安吾巷談(1950)〈
坂口安吾〉東京ジャングル探検「
天下の彌次馬をもって任じる私が」
まかせ【任】
〘
語素〙 (動詞「まかせる(任)」の連用形の
名詞化から)
名詞に付けて、そのものにまかせきりであることを表わす。「風まかせ」「力まかせ」など。
※古文真宝彦龍抄(1490頃)「何ごとも天下は呂不韋まかせで有た程に」
※俳諧・おらが春(1819)「ともかくもあなた任せのとしの暮」
まか・す【任】
[2] 〘他サ五(四)〙 したいようにさせる。ゆだねる。委任する。
※虎明本狂言・武悪(室町末‐近世初)「『跡のめこどもの事たのむ』『それはまかさしめ』」
まっかせ【任】
〘感動〙 (「まかせ」の変化した語) まかせておけの意で、何かを請け合って発する掛け声。よしきた。心得た。
※浮世草子・傾城色三味線(1701)京「かってから呼もせぬに、『まっかせ』といひ立にはいって後は出ず」
まけ【任】
〘名〙 (下二段動詞「まく(任)」の連用形の名詞化) 任務を命じること。任命して差し遣わすこと。まき。→
まけ(任)のまにまに
まき【任】
〘名〙 (四段活用動詞「まく(任)」の連用形の名詞化) =
まけ(任)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報