五郎(読み)ごろう

精選版 日本国語大辞典 「五郎」の意味・読み・例文・類語

ご‐ろう ‥ラウ【五郎】

[1] 〘名〙
① 五番目の男子。五男。
大和(947‐957頃)六五「南院の五郎三河(みかは)の守(かみ)にてありける」
風俗画報‐一〇六号(1896)人事門「そは縮緬(ちりめん)或は五郎(ゴラウ)金巾真綿(かなきんまわた)などを以て造り」
[2] 歌舞伎所作事。長唄三升屋二三治(みますやにそうじ)作詞、一〇世杵屋六左衛門作曲。二世尾上多見蔵の九変化舞踊「八重九重花姿絵」の一つ天保一二年(一八四一江戸中村座初演。曾我五郎大磯の郭通いする様を描いた一人踊り。雨の五郎。時致(ときむね)

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デジタル大辞泉 「五郎」の意味・読み・例文・類語

ごろう〔ゴラウ〕【五郎】

歌舞伎舞踊長唄。三升屋二三治作詞、10世杵屋六左衛門作曲。九変化「八重九重花姿絵やえここのえはなのすがたえ」の一つとして天保12年(1841)江戸中村座初演。曽我五郎くるわ通いの姿を描いたもの。雨の五郎。時致ときむね

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改訂新版 世界大百科事典 「五郎」の意味・わかりやすい解説

五郎 (ごろう)

歌舞伎舞踊。長唄。1841年(天保12)7月江戸の中村座初演。九変化所作事《八重九重花姿絵(やえここのえはなのすがたえ)》の一曲。演者は2世尾上多見蔵。作詞三升屋二三治。作曲10世杵屋(きねや)六左衛門。振付4世西川扇蔵通称《雨の五郎》《時致(ときむね)》。当年6月,浅草寺内で箱根荒人神の出開帳があったのを当てこみ,化粧(けわい)坂の廓へ通う曾我五郎時致を,荒事と和事を交えて描写。構成が確かな佳品で,現在,最高の人気曲の一つである。
曾我物
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五郎」の意味・わかりやすい解説

五郎
ごろう

歌舞伎舞踊曲。長唄。本名題『八重九重花姿絵 (やえここのえはなのすがたえ) 』。九変化の一つ。通称『雨の五郎』。天保 12 (1841) 年江戸中村座,2世尾上多見蔵初演。作詞三升屋二三治,作曲 10世杵屋六左衛門,振付4世西川扇蔵。曾我五郎時致が化粧坂 (けわいざか) の少将からの文を手に,蛇の目傘をさして大磯の廓へ向う姿を描く。本調子から二上りへ転調し,勇壮な荒事の語り,はなやかな手踊りなど短いながら変化に富んだ構成。当時浅草念仏堂で行われた,曾我兄弟をまつる箱根荒人神の開帳をあてこんでいる。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「五郎」の解説

ごろう【五郎】

鹿児島芋焼酎。酒名は、先代の名にちなみ命名白麹を使用し、1次仕込み、2次仕込みともに甕壺を用いる。原料はコガネセンガン、米麹。アルコール度数25%。蔵元の「吉永酒造」は明治41年(1908)創業。所在地は薩摩川内市下甑町手打。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「五郎」の解説

五郎
(通称)
ごろう

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
八重九重花姿絵
初演
天保12.7(江戸・中村座)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「五郎」の解説

五郎 ごろう

寺尾市四郎(てらお-いちしろう)

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