二分(読み)にぶ

精選版 日本国語大辞典 「二分」の意味・読み・例文・類語

に‐ぶ【二分】

〘名〙
割合で一〇分の二。
令制で、国司の第四等官(目(さかん))を、その給与として受ける公廨稲(くがいとう)の配分率によって呼んだもの。主に、年官として与えられる官をいうのに用いる。二分の官。
※中右記‐元永二年(1119)四月一二日「従二分任尉之者不御禊前駈之由万人所知也」
③ (「二歩」とも) 一分(一両の四分の一)の二倍。一両の二分の一。
※浄瑠璃・冥途の飛脚(1711頃)下「二十日あまりに四十両、つかひはたして二歩残る」
④ (「二歩」とも) 江戸時代吉原座敷持ちまたは部屋持ち女郎の揚代金。または、踊子の枕代金。また、その遊女や踊子。
※雑俳・柳多留‐一三(1778)「日半日ねこをじゃらして二歩とられ」

に‐ぶん【二分】

〘名〙
① (━する) 二つに分けること。二つに分かれること。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)八「その瓔珞をうけ、わかちて二分(ニフン)なして」 〔郭璞‐江賦〕
和文活字や込め物などの大きさの呼称全角半分、すなわち全角の一辺を二分の一としたものをいう。〔本と校正(1965)〕
春分秋分。また、春分点秋分点。二分点。〔遠西観象図説(1823)〕 〔春秋左伝‐昭公二一年〕

に‐ふん【二分】

〘名〙
① 一分(いっぷん)の倍の時間。一二〇秒。
② 「にぶ(二分)④」をしゃれていう。踊子の枕代の相場
※雑俳・川傍柳(1780‐83)四「磯の禅司が付て来て弐分(にフ)ん取」

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デジタル大辞泉 「二分」の意味・読み・例文・類語

に‐ぶん【二分】

[名](スル)
二つに分けること。また、二つに分かれること。「人気二分する」「勢力が二分する」
春分秋分。また、春分点秋分点
印刷で、和文活字・インテルなどの幅が、各ポイント全角の大きさの2分の1であること。半角。「行間は九ポ二分
[類語]分割両分大別区分区分け分ける掻き分ける

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普及版 字通 「二分」の読み・字形・画数・意味

【二分】にぶん

春分と秋分。

字通「二」の項目を見る

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