乱層雲(読み)ランソウウン

デジタル大辞泉 「乱層雲」の意味・読み・例文・類語

らんそう‐うん【乱層雲】

十種雲形雲級)の一。暗灰色で厚く、空全体を覆う雲。雲底乱れ、雨や雪を連続的に降らせることが多い。略号Ns雨雲雪雲。→雲級
[類語]巻雲巻積雲巻層雲高積雲高層雲層積雲層雲積雲積乱雲

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精選版 日本国語大辞典 「乱層雲」の意味・読み・例文・類語

らんそう‐うん【乱層雲】

〘名〙 全天を一様に厚くおおう暗灰色の雲。ふつう悪天候で、雨や雪を伴うことが多い。雨雲。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「乱層雲」の意味・わかりやすい解説

乱層雲
らんそううん

中層雲の一種。ただし、上層下層に及んでいることが多い。雨雲(あまぐも)、雪雲(ゆきぐも)ともいう。記号Ns。雲底は低く空一面を覆い、灰色でどんよりした感じを与える。雨や雪を降らせる。雲より下に落下して、途中で蒸発してしまう雨が黒く垂れ下がって見えることもある(尾流雲(びりゅううん))。雲底より下に、ちぎれた雲が風で流されており、これを片乱雲(へんらんうん)という。雲頂部は、ところどころ積乱雲のように盛り上がっている。この雲は前線や台風の通過に伴って発生する。

[木村龍治]

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百科事典マイペディア 「乱層雲」の意味・わかりやすい解説

乱層雲【らんそううん】

下層雲の一種。2kmまでの高度に生じるほとんど一様な暗灰色の雲層。雲底は乱れ,ときにちぎれて片乱雲が生じる。地雨(しとしとと降り続く雨)を伴うことが多い。十種雲形一つで,国際式略記号はNs。
→関連項目層雲

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「乱層雲」の意味・わかりやすい解説

乱層雲
らんそううん
nimbostratus

中層雲に属し,おもに氷晶水滴雪片からなり,暗灰色のほとんど一様な層状。略号 Ns。低気圧の中心域に存在し,高層雲がしだいに厚く低くなってできる。上層および下層に広がっていることが多い。雨雲雪雲ともいわれ,連続した雨または雪を降らせることが多い。

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世界大百科事典(旧版)内の乱層雲の言及

【雲】より

…したがって対流圏中ではだいたい三つの層に分かれて雲ができる。もちろん濃い雲の場合(高層雲,乱層雲など)のときは異なった層の雲と連続することがある。対流雲ではその中で混合が激しく,各層を貫いて存在する。…

※「乱層雲」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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