丸山健二(読み)マルヤマケンジ

デジタル大辞泉 「丸山健二」の意味・読み・例文・類語

まるやま‐けんじ【丸山健二】

[1943~ ]小説家長野の生まれ。「夏の流れ」で芥川賞受賞。結婚後、郷里長野に帰り、大自然の中で作家活動を展開する。他に「朝日のあたる家」「黒い海への訪問者」「ときめきに死す」「にじよ、冒涜ぼうとくの虹よ」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「丸山健二」の意味・わかりやすい解説

丸山健二
まるやまけんじ
(1943― )

小説家。長野県生まれ。国立仙台電波高校卒業後、テレックスオペレーターになる。1966年(昭和41)死刑囚を受け持つ看守たちの日常を描いた『夏の流れ』によって文学界新人賞および第56回芥川(あくたがわ)賞を受賞した。結婚後、1968年、長野県に移り住み、大自然の中に己を置いて着実な作家活動を展開。作品に『正午(まひる)なり』(1968)、書き下ろし長編『朝日のあたる家』(1970)、『黒暗淵(やみわだ)の輝き』(1971)、『薔薇(ばら)のざわめき』(1972)、書き下ろし長編『黒い海への訪問者』(1972)、『雨のドラゴン』(1973)、『火山の歌』(1976)、『アラフラ海 6つの中・短篇小説』(1979)、『ときめきに死す』(1982)、『月に泣く』(1986)、『惑星の泉』(1987)、エッセイ・評論集に『イヌワシ讃歌(さんか)』(1977)、『メッセージ 告白的青春論』(1980)、『群居せず』(1980)、『君の血は騒いでいるか 告白的肉体論』(1981)、『安曇野(あずみの)の強い風』(1986)など。1980年代後半以降の作品には、詩小説『水の家族』(1989)、『野に降る星』(1990)、「まほろ町」の千日の物語『千日の瑠璃(るり)』(1992)、書き下ろし長編『争いの樹(き)の下で』(1996)、『ぶっぽうそうの夜』(1997)、書き下ろし長編『虹(にじ)よ、冒涜(ぼうとく)の虹よ』(1999)、『逃げ歌』(2000)、『るりはこべ』(2001)など、エッセイ・評論集に『されど孤にあらず』(1991)、『まだ見ぬ書き手へ』(1994)、『生者へ』(2000)、ガーデニング・エッセイ『安曇野の白い庭』(2000)、『夕庭(ゆうにわ)』(2002)などがある。

[遠矢龍之介]

『『朝日のあたる家』(1970・講談社)』『『黒暗淵(やみわだ)の輝き』(1971・新潮社)』『『黒い海への訪問者』(1972・新潮社)』『『火山の歌』(1976・新潮社)』『『アラフラ海 6つの中・短篇小説』(1979・文芸春秋)』『『イヌワシのように』(1981・集英社)』『『君の血は騒いでいるか 告白的肉体論』(1981・集英社)』『『安曇野の強い風』(1986・文芸春秋)』『『月に泣く』(1986・文芸春秋)』『『惑星の泉』(1987・文芸春秋)』『『水の家族』(1989・文芸春秋)』『『野に降る星』(1990・文芸春秋)』『『されど孤にあらず』(1991・文芸春秋)』『『いつか海の底に』(1998・文芸春秋)』『『虹よ、冒涜の虹よ』上下(1999・新潮社)』『『安曇野の白い庭』(2000・新潮社)』『『生者へ』(2000・新潮社)』『『逃げ歌』上下(2000・講談社)』『『るりはこべ』上下(2001・講談社)』『『夕庭』(2002・朝日新聞社)』『『ぶっぽうそうの夜』『争いの樹の下で』上下(新潮文庫)』『『千日の瑠璃』上下『シェパードの九月』『夜、でっかい犬が笑う』『雷神、翔ぶ』『ときめきに死す』『イヌワシ讃歌』『群居せず』(文春文庫)』『『メッセージ 告白的青春論』『雨のドラゴン』『アフリカの光』『明日への楽園』『薔薇のざわめき』(角川文庫)』『『まだ見ぬ書き手へ』(朝日文芸文庫)』『『夏の流れ/正午(まひる)なり』(講談社文庫)』『吉本隆明著『新・書物の解体学』(1992・メタローグ)』『川村湊著『川村湊評論集4 隣人のいる風景』(1992・国文社)』『山形和美著『日本文学の形相――ロゴスとポイエマ』(1994・彩流社)』『安原顕著『現在形の読書』(1996・ディーエイチシー)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「丸山健二」の解説

丸山健二 まるやま-けんじ

1943- 昭和後期-平成時代の小説家。
昭和18年12月23日生まれ。商社の通信室に勤務。「夏の流れ」で昭和41年文学界新人賞,42年芥川賞。43年郷里の長野県にうつりすみ,日常からの脱出をこころみる青年の姿などをかきつづける。仙台電波高卒。作品に「ときめきに死す」「いつか海の底に」「虹よ,冒涜の虹よ」など。

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