中津川(市)(読み)なかつがわ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「中津川(市)」の意味・わかりやすい解説

中津川(市)
なかつがわ

岐阜県南東部にある商工業都市。1952年(昭和27)市制施行。1954年坂本(さかもと)村、1956年落合(おちあい)村、1957年阿木(あぎ)村、1959年長野県神坂(みさか)村を編入。2005年(平成17)坂下(さかした)、付知(つけち)、福岡の3町、川上(かわうえ)、加子母(かしも)、蛭川(ひるかわ)の3村、および長野県山口村を編入合併市域は北に大きく広がった。東部を長野県と接し、JR中央本線、明知鉄道(あけちてつどう)、中央自動車道、国道19号、256号、257号、363号が通じる。中山道(なかせんどう)の旧宿場町を中心に、中央本線開通以来しだいに発展し、木曽(きそ)川の南岸、中津川盆地から周辺へと拡大している。木曽谷の出入口にあたり、東濃(とうのう)地方有数の商業地でもある。工業では、電機製紙、金属製品、機械器具などの生産が行われる。近年、工業団地を造成し、先端企業の誘致が図られた。北部の山村地域は林業が発達、東濃ヒノキなどの良材を産出、また木製品加工もみられる。そのほか、米作酪農養鶏なども行われている。

 市の南部には恵那(えな)山を中心とする胞山(えなさん)県立自然公園、木曽川沿いには恵那峡県立自然公園があって、中京地方をはじめ全国各地から訪れる観光客が多い。苗木(なえぎ)は、江戸時代苗木藩1万石遠山氏の城下町。城跡(国指定史跡)は木曽川に臨み、眺めがよく、西麓(せいろく)に中津川市出身の日本画家前田青邨(せいそん)の記念館がある(2015年閉館)。北部は豊かな自然に恵まれ、付知峡、乙女渓谷などの景勝地や、裏木曽県立自然公園がある。そのほか、旧中山道の馬籠(まごめ)宿、渡合(どあい)温泉なども知られている。面積676.45平方キロメートル(境界は一部未定)、人口7万6570(2020)。

[上島正徳]

『『中津川市史 上・中』4冊(1968、1979、1988・中津川市)』


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