中子(読み)ナカゴ

デジタル大辞泉 「中子」の意味・読み・例文・類語

なか‐ご【中子/中心】

物の中央部。中心。また、しん
「―のできた飯を噛んで食べた」〈嘉村途上
ウリ類の中心の種子を含んだ柔かな部分。
(「茎」とも書く)刀剣類の、つかに入っている部分。
入れ子づくりのもので、中に入るもの。「重箱の―」
中空鋳物を作る際に、中空となる部分に入れる鋳型外形の鋳型は主型おもがたという。
やじりの根もと。の中に入る部分。
三味線胡弓こきゅうさお下端で、胴の中に隠れている部分。中木なかぎ
《堂の中央に安置することから》斎宮忌み詞で、仏。
釈迦の―金銅かねの像」〈北野本欽明紀〉

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百科事典マイペディア 「中子」の意味・わかりやすい解説

中子【なかご】

中空部分のある鋳物をつくるとき,鋳型の中に置いて中空部分を形成させる中型。溶融金属で囲まれるため,砂の焼付け,ガス発生など鋳造欠陥を起こしやすいので,材料,乾燥法などを主型より慎重にする。中子は鋳型の一部またはケレンと呼ぶ支持具でささえる。
→関連項目遠心鋳造造型機

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「中子」の意味・わかりやすい解説

中子
なかご
core

鋳物の中空部あるいは孔(あな)などをつくるときに、鋳型(この場合はとくに主型(おもがた)という)とは別につくり、外型内に収める砂型。中子は大部分溶湯に取り囲まれるので、溶湯流に耐える強度耐熱性、凝固収縮を可能にするための可縮性、中子から発生するガスを排除するための通気性製品内部から砂を取り除きやすくするための崩壊性など、主型以上に多くの要求がなされる。

[井川克也]

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改訂新版 世界大百科事典 「中子」の意味・わかりやすい解説

中子 (なかご)

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普及版 字通 「中子」の読み・字形・画数・意味

【中子】ちゆうし

次子

字通「中」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の中子の言及

【鋳物】より

…(1)鋳物設計 鋳型の作製,鋳物の健全性(欠陥のない製品),経済性などを考慮して,鋳物製造の全工程を設計する。(2)鋳物方案 どのような鋳型と中子をつくり,溶湯をどこから,どのように流し込むかなどを考えて方策を立案すること。鋳型各部の名称を図2に示す。…

【鋳金】より

…鋳型作製,金属の溶解鋳込み,仕上げの3工程に分けられる。鋳込みと仕上げの工程は共通するが,鋳型の作製には差異があり,中空の器物を作るには雌型(めがた)(外型(そとがた))と雄型(おがた)(中型(なかご),中子(なかご))を必要とする。鋳金の技術としては,おおむね以下の鋳造法がある。…

※「中子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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