普及版 字通 「中(漢字)」の読み・字形・画数・意味
中
常用漢字 4画
[字訓] なか・うち・あたる
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
旗竿の形。卜文・金文には、上下に吹き流しを加えたものがあり、中軍の将を示す旗の形。〔説文〕一上に「而なり」、〔伝〕に「和なり」とするが、宋本に「なり」とするものがあり、而は(内)の誤字であろう。また字形について「口と(こん)とに從ふ。上下ずるなり」とするが、卜辞では中を中軍の意に用いる。「中に立(のぞ)まんか」とは、中軍の将たる元帥として、その軍に(のぞ)む意であろう。元帥とする者を謀る意であろうと思われる。すべて中央にあって中心となり、内外上下を統べ、中正妥当をうることをいう。〔説文〕に収める字形はすべて(さい)に従うが、それは(史)・事の従うところで、旗竿の象ではない。旗竿には偃游(えんゆう)(吹き流し)のほかに、旗印をつけた。
[訓義]
1. なか、中央、三軍の元帥のいる中軍。
2. なかほど、なかがわ、うち。
3. こころ、からだ、はらわた。
4. たいらか、ただしい、ひとしい。
5. 投壺の算を入れる器。
6. あたる、的中する、あう。
7. なる、成功する、及第する。
8. あいだ、へだてる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕中 ウチ・ナカ・アタル・ヤブル・ナカコ・ナカゴロ・アツ・アヒダ・ソコナフ・タガヒニ・アフ・ナカバ・トホス・トホル・ヘダツ/就中 ナカニツイテ・ナカムヅクニ
[声系]
〔説文〕に中声として・仲・衷・忠・・沖など七字を収める。(ちゆう)は〔老子、四〕「は沖にして之れを用ふ」の〔傅奕(ふえき)本〕に、沖をに作る。中声には、なか、うち、みつるなどの義をもつものが多い。
[語系]
中・衷tium、仲diumは声近く、仲は主として親族称謂として用いる。督・tukも声近く、督は督脈、一身の中央にあるもの、(とく)は衣の背筋の縫目。衣の中縫をまた督縫(とくほう)という。
[熟語]
中阿▶・中衣▶・中意▶・中▶・中飲▶・中隠▶・中衛▶・中▶・中央▶・中河▶・中夏▶・中家▶・中華▶・中懐▶・中外▶・中額▶・中浣▶・中間▶・中澣▶・中饋▶・中気▶・中逵▶・中畿▶・中宮▶・中虚▶・中区▶・中矩▶・中空▶・中裙▶・中軍▶・中経▶・中閨▶・中堅▶・中元▶・中原▶・中戸▶・中▶・中行▶・中谷▶・中国▶・中壼▶・中坐▶・中才▶・中歳▶・中斎▶・中材▶・中産▶・中▶・中使▶・中子▶・中止▶・中旨▶・中試▶・中時▶・中軸▶・中実▶・中酒▶・中寿▶・中州▶・中洲▶・中秋▶・中宿▶・中春▶・中旬▶・中書▶・中暑▶・中症▶・中宵▶・中霄▶・中殤▶・中傷▶・中城▶・中情▶・中心▶・中夕▶・中昔▶・中絶▶・中宗▶・中倉▶・中蔵▶・中第▶・中単▶・中断▶・中知▶・中智▶・中腸▶・中朝▶・中直▶・中庭▶・中弟▶・中廷▶・中適▶・中天▶・中途▶・中土▶・中帑▶・中道▶・中毒▶・中頓▶・中熱▶・中廃▶・中半▶・中飯▶・中婢▶・中微▶・中表▶・中品▶・中府▶・中婦▶・中傅▶・中風▶・中伏▶・中腹▶・中分▶・中保▶・中鋒▶・中民▶・中冥▶・中夜▶・中野▶・中庸▶・中立▶・中流▶・中霤▶・中林▶・中路▶・中和▶
[下接語]
意中・雲中・億中・火中・渦中・画中・懐中・寒中・環中・眼中・巌中・忌中・客中・宮中・居中・胸中・禁中・区中・空中・軍中・最中・侍中・執中・術中・暑中・掌中・城中・心中・人中・折中・喪中・卒中・的中・土中・道中・日中・南中・熱中・腹中・房中・夢中・命中・連中
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報