上杉=美濃部論争(読み)うえすぎ=みのべろんそう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「上杉=美濃部論争」の意味・わかりやすい解説

上杉=美濃部論争
うえすぎ=みのべろんそう

東京帝国大学教授美濃部達吉と同大学助教授上杉慎吉 (1912教授就任) の憲法解釈をめぐる論争発端は,1911年雑誌『太陽』誌上に始まり,浮田和民穂積八束など当代一流の識者をこの論争に巻き込んで2年間続いた。国家法人説に立って天皇権限を狭く解釈しようとする美濃部と天皇を神聖視しその主権性を強調する上杉との論争は,実は政治対立であった。そして大正デモクラシー時代の到来によってひとまず美濃部が勝利を占めたが,やがて天皇機関説によって決定的な敗北をみた。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android