上手の手から水が漏れる(読み)じょうずのてからみずがもれる

精選版 日本国語大辞典 「上手の手から水が漏れる」の意味・読み・例文・類語

じょうず【上手】 の 手(て)から水(みず)が漏(も)れる

どんなじょうずな人でも失敗することがあるたとえ。もののじょうずといわれた人がたまたま失敗したときにいう語。猿も木から落ちる。弘法にも筆のあやまり。
※咄本・万の宝(1780)医師食傷「時行(はやり)医者、食傷をして引て居る。見舞に来る人、お前のよふな御上手の手からも水がもる」

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デジタル大辞泉 「上手の手から水が漏れる」の意味・読み・例文・類語

上手じょうずからみずれる

どんなに上手な人でも、ときには失敗することがあるというたとえ。
[類語]河童の川流れ孔子くじの倒れ弘法にも筆の誤り猿も木から落ちる竜馬りゅうめつまず念者の不念

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ことわざを知る辞典 「上手の手から水が漏れる」の解説

上手の手から水が漏れる

名人や上手といわれる人でも、まれにしくじることがある。

[使用例] 慎重に見合することだ。お前さん、人を見る目は肥えてるだろうが、上手の手からも水が漏れるというからな。人の口車に乗っちゃいけないぞ[井伏鱒二駅前旅館|1956~57]

[解説] 一般論として、達人にも誤りや失敗があるというよりも、これほどの人でもそんなことがあるのかという驚きを表す場合が多いようです。失敗に同情したり惜しむことはあっても、相手に対する敬意は失っておらず、皮肉として使われることはめったにありません。

[類句] 弘法にも筆の誤り

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