日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ロス(Sir Ronald Ross)
ろす
Sir Ronald Ross
(1857―1932)
イギリスの熱帯病学者。インドのアルモラの生まれ。1875年にロンドンのセント・バーソロミュー病院医学校に入り、1881年に卒業。同年ふたたびインドへ渡り、インド軍医団に入る。1892年マラリア研究に着手し、1894年にカがマラリアの伝播(でんぱ)に関係があるというラブラン-マンソンの学説の研究を始め、ついにカの体内でのマラリア原虫の生活環を明確にした(1897~1898)。1899年リバプール熱帯医学校の一員として西アフリカへ渡り、マラリアを伝播するカがハマダラカであることをつきとめた。1902年、マラリアに関する一連の研究によりノーベル医学生理学賞を受けた。
[大鳥蘭三郎]
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