日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
リー(Robert Edward Lee)
りー
Robert Edward Lee
(1807―1870)
アメリカの軍人。バージニア生まれ。1829年、ウェスト・ポイントの士官学校を卒業。メキシコ戦争などに従軍ののち、52年同校の校長に就任。59年には、奴隷解放を要求してハーパーズ・フェリーを襲撃したジョン・ブラウンらの武装蜂起(ほうき)鎮圧の指揮をとる。南北戦争勃発(ぼっぱつ)(1861)と同時に、リンカーン大統領の強い懇請を振り切って南部の大義に殉ずべく南部連合軍に身を投じた。劣勢な南軍を指揮して果敢に戦い、65年南軍総司令官となったが、結局同年4月9日、アポマトックスにおいて北軍のグラント将軍のもとに降服することを余儀なくされた。ここに南北戦争は終結した。彼はその悲劇的経歴のゆえに、単に南部のみならずアメリカの国民的英雄となった。
[長田豊臣]