リンパ節腫脹を来す疾患

六訂版 家庭医学大全科 「リンパ節腫脹を来す疾患」の解説

リンパ節腫脹を来す疾患
(血液・造血器の病気)

 リンパ節腫脹はれ)は腫瘍性のほか、いろいろの原因で起こりますが、多くの場合は腫瘍性以外が原因です。腫瘍性以外にリンパ節腫脹を来す原因として、ウイルス感染、細菌感染、結核(けっかく)、トキソプラズマ感染、膠原病(こうげんびょう)全身性エリテマトーデスなど)、薬剤性(抗けいれん薬など)、皮膚疾患、壊死性(えしせい)リンパ節炎(後述)などがあります。

 腫瘍性のリンパ節腫脹は、多くの場合無痛性で、かつ進行性です。一般的に腫瘍性以外のリンパ節腫脹では、2㎝以上のリンパ節を認めることは極めてまれなので、はれが大きい場合や2週間以上リンパ節腫脹が続く場合には、早めに医師の診察を受けることが大切です。

壊死性リンパ節炎

 この疾患は比較的長期にリンパ節腫脹が続き、しばしば悪性リンパ腫との区別が問題となります。症状には頸部(けいぶ)リンパ節腫脹や発熱があり、40歳以下の女性に好発します。血算(血球数など)は正常のことが多いのですが、時に白血球減少を認めます。LDHはしばしば増加し、この点は悪性リンパ腫に似ています。

 診断は生検が唯一方法で、とくに悪性リンパ腫と区別が困難な場合に、絶対的適応があります。一般的に経過は良好ですが、重症例や難治例では副腎皮質ホルモン薬を使用することがあります。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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