ラーネッド(英語表記)Dwight Whitney Learned

改訂新版 世界大百科事典 「ラーネッド」の意味・わかりやすい解説

ラーネッド
Dwight Whitney Learned
生没年:1848-1943

アメリカ宣教師。コネティカット州出身。イェール大学卒業後,1875年アメリカン・ボード宣教師として来日翌年より同志社神学,社会科学を教え,〈右手聖書左手経済学〉をもって学生を指導小崎弘道浮田和民大西祝安部磯雄など有為の人物を養成した。その教会史,新約聖書講解,経済学の著作は先駆的業績となった。1928年帰国し,カリフォルニア州で死去
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

朝日日本歴史人物事典 「ラーネッド」の解説

ラーネッド

没年:1943.3.19(1943.3.19)
生年:1848.10.12
明治期に来日したアメリカン・ボード(会衆派)宣教師。明治8(1875)年新島襄要請に応え妻フローレンスと来日,草創期から52年余り同志社大学の教授を務めた。専門は聖書神学で貴重な新約聖書全巻注釈書を刊行。博学で初期に数学,物理,天文学などを講じる。昭和3(1928)年退任帰国するまで「右手に聖書,左手に経済学」と,社会主義,共産主義,無政府主義を紹介・批判し,当時の学界水準を超えたその自由主義経済学は貧困問題の「救治策」を体系化,明治の社会経済思想,新歴史学の先駆的提唱者となった。<参考文献>住谷悦治『ラーネッド博士伝』,同『日本経済学の源流』

(大江満)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ラーネッド」の意味・わかりやすい解説

ラーネッド
Learned, Dwight Whitney

[生]1848
[没]1943
アメリカの会衆派海外伝道協会宣教師,御雇外国人。エール大学卒業,教会史を専攻したが,1878年新島襄の招きでアメリカン・ボードから同志社英学校に来ると,天文学,物理学,数学,経済学を講じた。約 50年在職し,深井英五,安部磯雄,浮田和民らを門下にもつ。伊勢 (横井) 時雄訳『経済学略説』,宮川経輝訳『経済新論』,浮田和民訳『経済学之原理』で知られる。ほかに『新約聖書講解』 (16巻,1882~92) ,『教会史』 (1907) の著書がある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「ラーネッド」の解説

ラーネッド Learned, Dwight Whitney

1848-1943 アメリカの宣教師,教育者。
1848年10月12日生まれ。明治8年(1875)新島襄(にいじま-じょう)から要請され来日。新島をたすけ創立直後の同志社の運営にあたるとともに,52年間にわたり経済学,神学,ラテン語などをおしえた。大正8年同志社大学長。昭和3年帰国。1943年3月19日死去。94歳。コネチカット州出身。エール大卒。著作に「使徒行伝」「経済新論」など。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android