ムラサキ(紫)(読み)ムラサキ(英語表記)Lithospermum erythrorhizon

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムラサキ(紫)」の意味・わかりやすい解説

ムラサキ(紫)
ムラサキ
Lithospermum erythrorhizon

ムラサキ科の多年草で,東アジアの温帯に分布する。日当りのよい乾燥した草原山地に生え,日本ではほぼ全域に自生する。かつては武蔵野の代表的な野草でもあった。茎は直立して高さ 30~70cmとなり,根は太くて乾くと濃紫色となる。茎と葉には長い粗毛があり,葉は互生し無柄で長さ4~6cmの披針形である。6~7月に,葉状の包葉の間に短い穂状の花序を出し,白色の小花を数個つける。萼は5深裂し,花弁は5裂して平らに開き,径4~5mmで花筒の上部に5個の鱗片がある。果実灰白色光沢があり小さい。根は古くから皮膚病薬や紫色の染料として用いられ,現在でも栽培されることがある。

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