日本大百科全書(ニッポニカ) 「ムテサ(1世)」の意味・わかりやすい解説
ムテサ(1世)
むてさ
Mutesa Ⅰ
(1838?―1884)
19世紀にアフリカ中央部で栄えたブガンダ王国(現ウガンダ南部)の国王(在位1856~84)。父スナ2世の死後王位を継承し、軍隊を強化して強力なブガンダ王国を築いた。進取の気概をもち、アラビア商人を定住させインド洋沿岸地域との遠隔地貿易に乗り出した。1862年イギリスの探検家スピークがブガンダ王国を訪れてから西洋文明に目を向け、75年アメリカの探検家スタンリーがキリスト教の布教を進言した際、これを取り入れた。エジプト・スーダン軍の侵入を巧妙な外交で乗り切り、北方のブニョロ王国にはアラブ商人から買い入れた銃器で対抗した。84年死去し、息子のムワンガが後を継いだ。
[青木澄夫]