ムカンナー(英語表記)al-Muqanna`

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ムカンナー」の意味・わかりやすい解説

ムカンナー
al-Muqanna`

[生]?
[没]779
アッバース朝時代の反乱者。本名 Hāshim ibn Ḥākim。ムカンナーはアラビア語で「覆面の預言者」の意。メルブの洗い張り屋の出身であったらしいが,神アッラーの化身と称し,アッバース朝のカリフマフディー (在位 775~785) の政策に反対して暴動指揮。5年間要塞をもちこたえたが,窮地に陥り同志らと服毒。のちイギリスの詩人 T.ムーアの『ララ・ルーク』 (1817) の主人公として描かれた。

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世界大百科事典(旧版)内のムカンナーの言及

【ムカンナーの乱】より

…〈ムカンナーal‐Muqanna‘(覆面者)〉とあだ名されたハーシム・ブン・ハキームHāshim b.Ḥakīm(?‐783)がマー・ワラー・アンナフルで起こした反乱(776‐783)。反徒はムバイイダal‐Mubayyiḍa(白衣を着る者)と称され,ホッラム教徒の現地の農民と,トルコ人部族民からなり,ムカンナーはアダムに始まりアブー・ムスリム(別の報告ではムハンマド・ブン・アルハナフィーヤ)に至る預言者に具現された神の化身の最後とされた。…

※「ムカンナー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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