ペトラッシ(読み)ぺとらっし(英語表記)Goffredo Petrassi

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペトラッシ」の意味・わかりやすい解説

ペトラッシ
ぺとらっし
Goffredo Petrassi
(1904―2003)

イタリアの作曲家。1928~33年ローマのサンタ・チェチーリア音楽院で作曲、オルガンを学ぶ。39~59年母校で、59~74年アカデミア・サンタ・チェチーリアで教鞭(きょうべん)をとり、多くの優れた作曲家を育てる一方、世界各地で指揮および教育活動を行った。59年(昭和34)指揮者として来日している。彼の作品は、カゼッラの影響の下に、新古典主義的様式を出発点として、多彩な様式変化を示した。代表作は、『管弦楽パルティータ』(1932)、管弦楽のための『協奏曲第1~8番』(1934~72)、第二次世界大戦へのイタリアの参戦に関連して作曲された男性合唱と管弦楽のための『死者の合唱』(1941)、バレエ『狂えるオルランド』(1943)、カンタータ『暗い夜』(1951)など。とくに『暗い夜』以後、無調、十二音技法、セリー主義、無主題主義、点描法、多様な音色をとり入れた作品が目だった。このように、彼の作風はつねに革新を続けた。

[寺田由美子]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペトラッシ」の意味・わかりやすい解説

ペトラッシ
Petrassi, Goffredo

[生]1904.7.16. ローマ近郊ツァガローロ
[没]2003.3.2. ローマ
イタリアの作曲家。 1928~33年ローマのサンタ・チェチリア音楽院で作曲とオルガンを学ぶ。 1937年ベネチアのラ・フェニーチェ劇場監督,1939年サンタ・チェチリア音楽院の教授就任。 A.カゼラ,P.ヒンデミットの影響を受けながらイタリア的な歌謡性を特色とする曲を作曲。 1950年以降は 12音技法も用いる。おもな作品に合唱曲『死者の合唱』 (1940~41) など。

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