ファラド(読み)ふぁらど(英語表記)farad

翻訳|farad

デジタル大辞泉 「ファラド」の意味・読み・例文・類語

ファラド(farad)

国際単位系SI)の静電容量単位。1ファラドは、電位を1ボルト高めるのに1クーロン電気量を要する導体の静電容量。M=ファラデーの名にちなむ。記号F ファラッド。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファラド」の意味・わかりやすい解説

ファラド
ふぁらど
farad

国際単位系(SI)の電気容量の単位。固有の名称と記号で表されるSI組立単位の一つである。1クーロンの電荷によって1ボルトの電位差を生じさせる導体のもつ電気容量が1ファラドで、記号はF。この単位は実用としては大きすぎるため、実際にはマイクロファラド(μF)やピコファラド(pF)が用いられている。1881年のパリ国際電気会議で提案されたときには、現在のマイクロファラドと同じ値で、約3分の1海里(約617メートル)の海底電線の容量に等しいと規定されていたが、1906年の国際電気標準会議の第1回総会で現在の定義となった。ファラドの名称はイギリス物理学者ファラデーにちなんでつけられた。

[小泉袈裟勝・今井秀孝 2015年4月17日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ファラド」の意味・わかりやすい解説

ファラド
farad

国際単位系における電気容量,またはキャパシタンスの単位。記号はF。1Cの電荷が与えられたとき,電極間に1Vの電位差が生ずるコンデンサーの電気容量で,1F=1C/Vである。実用上は値が大きすぎるのでマイクロファラド(1μF=106F),ピコファラド(1pF=10⁻12F)などが用いられる。クロスキャパシターを用い,高精度に単位を現示することができる。名はM.ファラデーにちなむ。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

百科事典マイペディア 「ファラド」の意味・わかりやすい解説

ファラド

電気容量のSI組立単位。記号F。1クーロンの電気量を充電したとき1ボルトの電位を生ずるコンデンサーの電気容量。1ファラド=10(-/)9CGS電磁単位=9×1011CGS静電単位。ファラデー由来。ふつうマイクロファラドμF(10(-/)6ファラド),ピコファラドpF(10(-/)12ファラド)を使う。
→関連項目静電容量

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファラド」の意味・わかりやすい解説

ファラド
farad

コンデンサの電気容量の SI 組立単位。記号は F 。 1F はコンデンサの電極に電気量 1C を与えたときに両極間に電位差 1V を生じる電気容量である。しかし,地球の電気容量でさえ 0.0007F にすぎず,ファラドは実用上大きすぎる。したがって普通はマイクロファラド ( 1μF=10-6F ) またはピコファラド ( 1pF=10-12F ) が用いられている。単位名は M.ファラデーの名にちなむ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

化学辞典 第2版 「ファラド」の解説

ファラド
ファラド
farad

静電容量の単位.記号F.コンデンサーに1 C の電気量を充電したときに,両極間に1 V の電位差を生じるときの静電容量.国際単位系(SI単位)では

1 F = A2 s4 kg-1 m-2 = A s V-1
10-6 F をマイクロファラド(μF),10-12 F をピコファラド(pF)という.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

知恵蔵 「ファラド」の解説

ファラド

SIの静電容量の単位。固有の名称を持つ組立単位で、19世紀の英国の物理学者M.ファラデーにちなむ。1クーロン(C)の電気量を充電した時、電極間に1 Vの電位差を生じるコンデンサーの静電容量が1 Fである。

(今井秀孝 独立行政法人産業技術総合研究所研究顧問 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

単位名がわかる辞典 「ファラド」の解説

ファラド【farad】

静電容量の国際単位。記号は「F」。1Fは1Vの電位差を与えたとき、1クーロン(C)の電気量がたまるようなコンデンサーの電気容量(1F=1C/V)。◇名称は、イギリスの物理学者・化学者ファラデーにちなむ。

出典 講談社単位名がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のファラドの言及

【電気容量】より

…電気容量が大きいほどコンデンサーの能力が大きい。上の関係からわかるように電気容量の単位はC/Vであるが,これをファラド(F)と呼ぶ。実用上はこの単位は大きすぎるので,μF=10-6F,pF=10-12Fなどが用いられる。…

※「ファラド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android