バキエフ(英語表記)Bakiyev, Kurmanbek

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バキエフ」の意味・わかりやすい解説

バキエフ
Bakiyev, Kurmanbek

[生]1949.8.1. キルギス=ソビエト社会主義共和国,マサダン
キルギスの政治家。首相(在任 2000~02),大統領(在任 2005~10)。1972年にロシアのクイブイシェフ工業大学を卒業後,1990年まで電気技師として働いた。1990年代後半にジャラルアバド州知事となり,その後北部キルギスに移りチュイ州知事を務めた。2000年12月,アスカルアカエフ大統領により首相に任命されたが,2002年5月に解任された。2002年10月,国民議会下院議員に選出され,地域の利益を重視する中道派グループに参加。2004年9月,新たに野党キルギス国民運動を結成して党首となった。約 6ヵ月後,政治腐敗や国政選挙での不正に抗議するデモが各地で発生し,2005年3月,アカエフ大統領とニコライ・タナエフ首相は国外へ逃亡,バキエフは暫定大統領に就任した。この一連の抗議運動と,その後のバキエフによる権力掌握は「チューリップ革命」と呼ばれる。大統領在任期間が長くなるにつれ,野党指導者たちはバキエフが脅迫を行なったり,反対派への締めつけを強めていると非難した。2010年初め,バキエフの独裁的な政策汚職をおもな要因とした暴動が発生。同年 4月7日政府非常事態宣言を発令した。4月15日バキエフはキルギスを出国し,国政は野党主導の暫定政権の手に渡った。

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